コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 大嫌い。*実話* ( No.29 )
- 日時: 2011/05/11 07:26
- 名前: 宇莉 ◆I/.b8govos (ID: ByQjFP4v)
第十話**
私が真潮にメールを送った後、やっぱり真潮は未優に告白していた。
未優が嬉しそうに私に話しかける。
私のおかげなんだぞっ。
こんなこといえるはずない、でも言ってやりたかった。
…「私のおかげで未優は真潮といっしょなんだよ」って。
***
毎日が当たり前のように過ぎていく。
私はただ流れるように毎日を過ごしていた。
ただ嬉しいこともなく、悲しいこともない平凡な毎日。
そんな日の帰り道。
…生徒会で遅くなってしまった私は6時半ごろに学校を出ていた。
周りの友達とも道が離れて私は一人で歩いていた。
何も考えずにただただ歩き続ける。
ふと真潮のことを思い出した。
今、君は私との思い出さえも忘れてしまってるの?
——真潮によく歩くの遅いな、ていわれたけど真潮が私にペースを合わせて歩いてくれていたこと。
私の家に朝早くに迎えに来てくれたこと。
私が迷惑をかけても優しく手を握ってくれたこと。
たくさんの思い出を思い出す。
それがとても最近のことのように感じる。
たくさんの温もりを君にもらいました。
私のことを忘れてても、もういいんです。
…ただ大好きです、大好きなだけなんです。
***
誰か一人が幸せな時、その世界のどこか誰かが悲しんでる時でもある。
「結莉ーっ、進展あったんだよ!」
「えー?何々?」
だんだん私の作り笑いは上手になってくる。
作り笑いができることが当たり前なのは、本当はとても悲しいことなのに——…
「私…、ね?真潮としちゃったんだ。」
…「え?」
一瞬で固まった。
それは私の中では中学校生活で体験することないだろう発言だったから。
それから未優は私のことおかまいなしにそれの順序を話していく。
聞きたくもない話が脳に焼付く。
時間が長く感じる。
目の前では未優がとても笑顔だった。
「またあとできかせて。」
ただそれを言うのだけで精一杯で。
今にも涙が出そうな顔だけは見られたくなかった。
未優の返事なんて聞かずに私は未優の教室を出た。
第十話** end