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Re: 大嫌い。*実話* ( No.35 )
日時: 2011/05/13 17:48
名前: 宇莉 ◆I/.b8govos (ID: ByQjFP4v)

第十一話**



…「辛い」
最近の口癖だった。

何もできない毎日。
そんなに毎日に嫌気がさす。

何かはしたい、そんな気持ちは私の中にはあった。
でも何もできない。

「好き」ともいえない。
本当は真潮のことは、好きで好きで仕方ないのに。

でも頭の中に未優の泣き顔が思い浮かぶ。



…私は、どうしたい?
今、この時、この瞬間。

川村 結莉、お前は何がしたい?


大きく深呼吸をし、私はゆっくりと目をつぶる。
私の思いはある1つの方向へと向かう。




               ——真潮に、好きって言いたい。







でも、でも…!
人の幸せを奪ってまで、自分が幸せになることはできない。
私は幸せになるべきではない。




目の前がぼやけてきた。
顔が熱くなってくるのがわかる。




…私のこの涙は、私の決意を表す。







         「私、真潮を諦める。」



***



中途半端に長くなった髪をちょんまげにして上にあげる。
まだ眠さに負けている私は、頬を強くたたいた。


「頑張れ、自分」



私は家の扉を開けて、一歩前へと進む。
外は春なのに、暖かく空気も澄んでいた。


少し涙が出そうになる。
私はまた大きく深呼吸をした。



一瞬 真潮の顔が頭に出てまた消える。
…無理やり消した。



私は小さく呟いた。







 


                   ——「大嫌い。」












        第一章「大嫌い。」and第十一話 end