コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 大嫌い。*実話* ( No.46 )
日時: 2011/05/22 11:31
名前: 宇莉 ◆I/.b8govos (ID: xr1in99g)

第十三話**

———————————
宛て名:川村結莉
題名:
———————————

久しぶり






———————————

あの頃と何一つ変わりないメールは、今この瞬間こそも変わっていない気がして。

あの時、別れを言わなかったら私たちはまだ続いていたのだろうか?
そんな気さえもした。

***


真潮からのメールだと気付くと、私は固まった。
嬉しい気持ちさえ、言葉に表現ができない。

だって、こんなのズルい。

嬉しすぎるに決まってるじゃないか——…!!


今、私の知っている真潮がこのメールの送信者。
そう思うたびに、少しでも距離が縮まった気さえもする。

———————————
宛て名:伊藤真潮
題名:
———————————

久しぶり






———————————

こんな一文書くだけでも相当な時間を使った。
そんな私の苦労を消すかのように、真潮からの一分後の返信。



…ここも変わってないなあ。


また一つ真潮の変わってないところを見つけた。



***

私と真潮のメールは、くだらないものばかりだった。
受験のことや、テストに部活。

時々、変なボケやツッコミ。
幸せな時間、昔に戻った気がする時間。


…でも、



「結莉ー! 11時だからメールやめなさい!」


こんなお母さんの一声で、幸せな時間は一気に現実へと戻る。
私は仕方なく真潮に最後のメールを打った。



———————————
宛て名:伊藤真潮
題名:
———————————

ごめん。
すっごく眠いから寝るね

おやすみ!


———————————

私はメールを送信したのを確認して、携帯を机に置いた。


***

お風呂に入り、私はサッパリした状態で二階へと上がる。
もちろん手にはアイスがある。

私はアイスをほおばりながら、携帯を開いた。

『新着メール1件』

こう表示されている。
真潮からの「おやすみ」だろう。

こんな予想をしながら、私はメールを開いた。



———————————
宛て名:川村結莉
題名:
———————————

明日手紙書く。
おやすみ




———————————


え…?え…!?
てっ、てっ、手紙!?

なんで手紙!? もしかして、すごく暇人?


ただ真潮の言葉が嬉しくて、嬉しくて、嬉しすぎて——…!
手紙なんて付き合ってた時に少ししただけ。

まるで夢のような時間だった。





興奮して目が覚めてしまった私は、夜中まで髪型アレンジを研究した。
少しでも真潮に見てほしくて。





…——これが最後のチャンスな気がして。


           
                  第十三話** end