コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 大嫌い。*実話* ( No.58 )
- 日時: 2011/06/02 14:19
- 名前: 宇莉 ◆I/.b8govos (ID: xr1in99g)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第十六話**
指の温もりが、鼓動を高くする気がする。
指先までもが震えていた。
「…っ意識しすぎだっつーの。」
ただそう呟いて自分の席についた。
***
あの真潮からの告白なんて夢にも思っていなかった。
でも簡単に返事なんてできないことなんて自分が一番わかっている。
それは、…『真潮が遊びかもしれない』ってこと。
昔、真潮は一人の女の子と遊びで付き合っていた。
何回も何回も信じさせて、そのたびに騙していた。
だからこそ、今真潮を信じられない。
本当は信じなくちゃいけないのに……!
ただ、もしも遊びだった時の周りの男子の反応が怖かった。
『軽い奴』だなんて思われたくなかった。
…授業が終わると真潮が教室の入り口にきた。
なんとなく呼ばれてる気がして、私は近くへといく。
案の定それは当たっていて私は真潮から小さな紙切れを受け取った。
この手紙の中には、『なんで私に告白したか。』っていう理由が書いてある。
中を見るのが怖かった。
何回怖がっているのだろう、私はそう思い一気に手紙を開いた。
————————————————————
今まで付き合った中で一番良かったから。
お願いします。
————————————————————
一気に力が抜けた気がした。
それと共に真潮が、私のことを好きじゃないってこともわかった。
そんな理由で、私が真剣に返事をしたら私がバカみたいじゃん。
真潮の馬鹿。
返事を書く気さえも起きなかった私は、手紙をびりびりに破いてゴミ箱へと投げ捨てた。
***
あっという間に放課後になった。
部活帰りに、部活仲間と真未で校舎から出る。
恋愛のことなんか忘れて、真未との話で盛り上がっていた。
「あっ、真潮きたよ!」
いきなりの真未の言葉に驚いて真未の見る方向へと振り向く。
「…って、嘘だけどね。」
笑いながら真未が笑顔でいう。
騙されたと分かった私の顔が真っ赤になっていくのがわかった。
「っ、真未のばかあああ!」
なんてくだらない会話だろう。
あー、私って単純?
そう思いながらただあるいて校門をくぐろうとしたその時だった。
後ろから肩をトントンとたたかれる。
名前を呼ばれるわけでもなく、ただ肩をたたかれた。
私は後ろを振り返る。
後ろには誰もいなくて、前から声が聞こえた。
「今日メールするから!」
前からの声の主は、真潮だった。
どうやら走りながら私の肩を叩いたらしい。
…周りから見たら付き合ってるみたいに見えるかな?
本当は付き合っていなくても、周りからそう見えてるかもなんておもうことがものすごく嬉しかった。
春の暖かい風が私を包む。
まるで冷たい風から守ってくれてるように。
第十六話** end