コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: すいぶ! ( No.2 )
- 日時: 2011/05/03 22:37
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: /ukPXt9P)
- 参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode
【harmony.1*すいぶ?】
有泉凜、十六歳。先週からここ南梨高等学校の一年生!
そして私は今、高校生活の局面に立たされています。
「有泉、申請書」
「あ、網倉ごめん!まだ書いてない!」
私の言葉に目の前の網倉は溜め息をついた。
———高校生活の局面とは部活の事。
南梨高校では交友関係の幅を広げるだとかそんな名目で一年生は部活動参加が絶対となっている。
入学初日から部活動参加申請書というものが配られ、ほとんどの一年生がすでに提出済みである。
で、その未提出の中の一人が私でその取り立てに来るのが学級委員長の網倉綾瀬。
網倉は結構イケメンで女子からも男子からも人気。
だけど……書いてない私が悪いんだけど、こう毎日申請書申請書言われてると正直ウザい。
考えられないから書かないんだってばー!!
まったく、アンタは何て書いたんだっつー……あ。
適当に網倉と一緒のところ書いておいてもらえばいいじゃん!!
私天才すぎる!
「あ、待って網倉!」
そうとなったら有言実行!
私は網倉の腕を掴んで引き留めた。
「何?」
網倉は不機嫌そうに振り向く。
私は網倉の手に申請書とシャーペンを押し付けて、
「私、網倉と一緒のところでいーよっ!」
と笑顔で言う。
これで部活も決まるし、申請書申請書言われなくて済むし一石二鳥!!
だが、網倉は心の中で明るいオーラ全開の私を見つめ、その手のシャーペンは動かない。
「ホントにいいの?」
彼の口から出た言葉を私は深く考えないまま頷いた。
それを見て網倉は一瞬の間の後、シャーペンを動かし始めた。
「じゃあ、出すからな」
そう言ってシャーペンを私に返すと彼は教室を出て行った。
「ふぅー……っ」
私は一息ついて席に座る。
やっと部活決まったよー。
そして申請書を提出した日から部活なので、今日から部活が始まる。
とりあえず入ったとはいえ、ちゃんと顔は出さないとなー。
面倒、だけど
楽しみだなっ!!
***
というわけで放課後。
私は網倉につられるまま、ある教室の前まで来ていた。
———音楽室。
とりあえず今分かったのは音楽系の部活という事。
「有泉、ボーっとしてないで入るよ」
何だろう、軽音楽部とかコーラス部とか合唱部?
「あ、うん!」
いや、もしかして……
「失礼します」
———目の前に広がるテレビとかで見たことのある楽器の数々。
カチカチとテンポを刻むメトロノーム。
「今日から入部の網倉綾瀬です。こっちは……おい、有泉!」
「えっ、あ、えっと……」
私が入ったのは紛れもなく、
「あ、有泉凜です」
吹奏楽部でしたー☆