コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: すいぶ! ( No.3 )
- 日時: 2011/05/05 14:47
- 名前: 夕詠 ◆NowzvQPzTI (ID: 8ni6z6qB)
- 参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode
【hamony.2*さすが貴家!】
*前回までのあらすじ♪*
……い、一話参照!!
「———え、雑じゃね?」
一話参照ってもうあらすじじゃないじゃん。
ただの行の無駄遣いじゃん。
「有泉、何か言った?」
「い、いえ!別に!!」
というわけであらすじの通り、吹奏楽部に入部しちゃいました。
いやー、これは予想外だったね!
網倉は運動部かと思ってたしね!
まあ、いまさら何を言っても仕方がないんだけどね!
「はぁ……今のところは新入生、この子達入れてもこんなもんかー。あ、そうだ!名前名前!」
私の目の前で楽しそうに騒ぐ女の人が一人。
大人っぽいし三年生かな?
彼女は自分を指差し、
「あたしは副部長の米長郁花。パーカッションパート担当よ。よろしくね!」
そう言って米長先輩は微笑んだ。
何か優しそうな人だなぁ。
そして、米長先輩は音楽室の奥の方に視線を移す。
「———おい、加賀美!!ちょっと来い!!」
さっきの挨拶とは打って変わって、ドスのきいた声が音楽室に響いた。
え、何この変貌ぶり。
*米長先輩の印象
優しい⇒ヤンキー!?
そして部長に呼ばれた加賀美という男の人は、すぐに楽器を置いて早歩きで私たちのところまで来た。
耳にかかるくらいのサラサラストレートの髪に整った顔。
*加賀美先輩の印象
イケメン!!
「加賀美、新入生に挨拶」
やはりドスの利いた声の米長先輩は加賀美先輩を睨んだ。
それを怯えた目で見つめる加賀美先輩。
何この主従関係。
「あ、えっと……一応ここの部長の加賀美悠です。よろしくね」
え、部長!?
圧倒的に米長先輩の方が部長だけど部長!?
確実に尻に敷かれてる感じだけど部長!?
*加賀美部長の印象
イケメン!!⇒副部長の尻に敷かれる残念なイケメン部長
なんとなく二人の先輩の関係が把握できたところで、米長先輩が口を開く。
「で、二人は何の楽器希望なの?」
あ、そうか。楽器決めなきゃいけないのか。
って言われても、流れで入ったようなもんだからなぁ。
どういう楽器があるのかも分からないし……。
「俺、サックスがいいです」
私がどうしようか考えていると今まで空気だった網倉が口を開いた。
サックスって確か加賀美先輩がさっき吹いてた金色のヤツだっけ?
「お、サックスかー!俺の後輩じゃん!!」
「加賀美、うるさい」
「すいません」
加賀美部長の明るい声は米長先輩によって、一瞬で沈んだ。
ホントに部長と副部長の人選あってるのか疑う関係だな……。
「で、凜ちゃんは?」
「うーん……」
どうしようー!!
その時、音楽室のドアが開いた。
入ってきたのは金色の長い楽器を左手に持った背の高いすらっとした女の人。
「おー、絢音じゃん!どうした?」
米長先輩に絢音と呼ばれたその人は、一言で言うと大和撫子。
流れるような黒くて長い髪。長い睫。大きくて黒い目。
そして紫の眼鏡が知的美人な雰囲気を強調している。
とにかくすっごい綺麗!!
*絢音先輩の印象
大和撫子な知的美人!
「いっやー!何かここの所のリズムがよく分かんなくってさー!!ちょっと吹いてみるから郁ちゃん聞いててくんないかなっ?」
そう言って、へらへら笑いながら絢音先輩は楽譜を指差す。
つか、
……テ、テンション高ぇー!!
大和撫子で知的美人なのは外見だけ!?
むっちゃテンション高!!
*絢音先輩の印象
大和撫子な知的美人⇒ハイテンション
私が印象を書き換えていると、絢音先輩は持っていた楽器を構えた。
「ほんじゃ、いっきまーす」
そして子供っぽくニッと笑う。
さすがに美人が楽器持つと様になるというか、絵になるというか……。
数秒の間をおいて、先輩は楽器を吹き始めた。
先輩が奏でる音はとても綺麗で、鳥肌が立った。
そして一番驚いたのは、楽器の仕組み。
私の楽器に対するイメージは、ボタンみたいなものを指で押して吹くようなそんな感じだった。
だけど絢音先輩の吹く楽器は、楽器の一部の長い部分をスライドさせて音を変えている。
音楽に詳しくないから、初めて見たけど……カッコいい。
*絢音先輩の印象
大和撫子な知的美人⇒ハイテンション⇒カッコいい!!
そんな風に見とれていると、音楽が終わった。
「ここまでなんだけど、どう?合ってんのーっ?」
そう無邪気な笑顔で言う絢音先輩は、やはり外見のイメージとはすごいギャップである。
「おう、合ってる合ってる。さすが、貴家って感じだよ」
「もー!やめてよ、人の名字でダジャレ作るのー!!」
米長先輩の発言に絢音先輩はムッとした顔になる。
どうやら先輩の名字は“さすが”というらしい。
「あ、そういえば忘れてたけど有泉さん、楽器どうする?」
網倉と同じく空気になっていた加賀美先輩がふと聞いてきた。
そういえばそうだった。
———でも、もう決まったよ。
「私、あの楽器がいいです!」
そう言って私は絢音先輩の楽器を指差したのだった。
「え、トロンボーン希望!?まじでかーっ!!めっちゃ嬉しい!!」
すると絢音先輩が目を輝かせて私を見つめる。
うおぉ、すごいキラキラオーラ……。
っていうかこの楽器、トロンボーンっていうんだ。
「はい、よろしくお願いします!」
私は頭をぺこっと下げた。
「私、三年の貴家絢音!こちらこそよろしくーっ!!」
絢音先輩はニッと笑った。
というわけで私、トロンボーンをやることになりました!