コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 突然男の子になっちゃったりしちゃったわけで。 ( No.2 )
日時: 2011/05/16 18:03
名前: ののか (ID: .8sHsKzk)

第1話 「状況理解が大切だと思うんだ」











落ち着け、落ち着け、私。
よく状況を理解するんだ。もしかしたら、夢オチっていうパターンがあるかもしれないじゃないか。

……試しにほっぺを抓ってみたけど、未だに目が覚めない。おまけに痛い……。
怖いぐらいリアルだ。人並みぐらいにあった胸もなくなっているし、股間あたりにはなんか違和感を感じるし……。
一番、一番ね? ズボン下げてみれば分かることなんだけど、それを見るには結構勇気がいるというか、なんというか。
やっぱりここは思春期女子(元)。気になるっちゃあ気になるんだよね。

勇気を振り絞れ! 木津川! 
そうだよ、いずれトイレのする時に見るんだから! 
よし、いくぞ、いくぞ……!









*













……いつの間にか失神していたらしい。
やばい……本当についてた……。てかはじめてみた……。幼き頃見たお父さんのは記憶から消滅しといたから覚えてません。
鏡がないから分からないけど、髪を触ってみたら短くなっている気がした。

あ、学校は? 携帯を見て確認する。今日は……月曜日、しかももう七時半だ!
やばい、やばい! これからどうしよう。そもそも家族になんて説明しよう。「起きたら男になってました」って? 誰も信じないよ!
……あれ? 勉強机の椅子……青だったっけ? 赤だったと思うんだけど……。

「優(ゆう)! 朝よー!」

いつも私が朝起きるのが遅いと、お母さんは1階のリビングから起こしてくれる。
とりあえず、下に降りてみよう……。そしてちゃんと状況を説明するんだ!



「お、おはよ〜……」

リビングには、もう制服に着替えている妹——静花がいた。
キッチンにはお母さんが食器を片付けている。どうやら、お父さんはも家を出たようだ。

「おはよう。今日起きるの遅かったね?」

「う、うん……」

な、なんでお母さんはいつも通りなんだ? 私のこの姿をみて何も気づかないのかな? 

「お母さん。うち、何か変わったと思わない?」

一瞬、私以外のもの全部が止まった気がした。
お母さんの食器を洗う手が止まり、目をこれ以上開かないぐらいに丸くして私をみている。
な、なんだ? どうしたんだ?

「きもっ『お兄ちゃん』どうしたの? ついにオカマになっちゃった?」

静花が私を引いた目で見てくる。あれは、絶対語尾に「ww」が大量についてるよね。
その言い方とか、私に対する扱い方だとかは、いつも通り。
……待って、今、「お兄ちゃん」っていった?

「どうしたの、優!? 何があったの!? なに、寝癖のこと!?」

なんだ、この反応! まるで、私が元々男だったみたいな……!
い、意味が分からないぞ? 

「い、いや、なんでもない! ちょっと熱ぽかったからさ〜」

適当に笑ってごまかす。
だけど、妹の冷たい目線はそのままだ。
心配したお母さんが、「病院いく?」と言ってきた。
どういう意味だよ!


とりあえずご飯食べて、そのあと鏡を見てみた。
顔とかちょっと輪郭が男の子っぽくなっていて、髪は……なんていうんだろ、前に雑誌でみた……マニッシュスタイル? になっていた。短くなく、長くもない。
……自分でいうのはなんだけど……ちょっとイケメンなのではないだろうか?

着替えようと、制服を探そうとしたら……なんと目の前に男子用の制服が。
おかしい、なんかおかしいぞ。まるで私が元々男みたいな……。

ぼーと考え込んでいたら、追い出されるようにお母さんに家から出されたので、私はいつも通り学校に行くことにした。