コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 +半実話+ ( No.10 )
- 日時: 2011/05/20 18:49
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ 修学旅行もうすぐだぁ〜〜
第121話
先輩達の卒業式の日、私は絵磨といっしょに通学路を歩いていた。
今は、ちょうど卒業式が終わった時間だとおもう。
先輩達に会いに、今日は学校は休みだったけど、行くことにした。
学校が近づくにつれ、度々先輩達とすれ違った。
「ねぇ、あれ、桜先輩たちじゃない?」
「ほんとだ」
絵磨の指差す方向には、桜先輩たちがたまっていた。
卒業証書を片手に、みんなでわいわい喋っている。
「先輩〜!!」
「……あ、香織ちゃんに絵磨ちゃん!!」
「おっす!」
他の先輩たちも、挨拶を返してくれた。
「きてくれたんだ〜!!」
「はい、来ちゃいました……」
先輩達は、いつもよりきちんと制服を着こなしていて、なんだかそれがおかしくみえた。
あとは、入試のときと、合格発表のときに着れば、もうこの制服を着ることはないんだとおもう。
「なんで入試の前に、卒業式なんだよ〜!」
「逆でも嫌だろ」
「あ〜! 入試まであと3日とか!!」
純也先輩と健先輩は、そわそわしていた。
このあと、公立入試が控えていて、泣く暇もないんだとおもう。
……泣いてる人は泣いてるけど。
「ちょっと凛子〜! 号泣しすぎ! 合格発表のときまたくるじゃ〜ん!!」
「……だ、だって、も、もう、ここの……生徒じゃ、なくな……うぇっ」
「ちょ、凛子……」
凛子先輩は、顔を真っ赤にして、号泣していた。
桜先輩が心配して、ハンカチを渡す。
——なんでだろう、なんか視界がぼやけてきた。
「……凛子泣きすぎ〜! ねぇっ、2人ともっ! って……」
「……っ」
桜先輩は、私の顔を見て驚いた。絵磨の顔も見て驚いた。
……知らぬ間に、私も絵磨も涙が出ていた。
すると、桜先輩の顔も、急にしおらしくなった。
「先輩……卒業、しないで、ください」
「……香織ちゃん」
「まだいてください!!」
「絵磨ちゃん」
悲しい、いやだよ、先輩が卒業しちゃうなんて。
いやだいやだいやだ!!
そうおもうと、感情が抑えきれなかった。
「泣くなよ、またいつでも部室遊びに来るから」
「練習がんばれよ〜〜!!」
そういう健先輩と、純也先輩も泣き顔になっていた。
里子先輩も、いつのまにか目が潤んでいた。
「先輩」
私は、嗚咽をもらしながら、やっと声を出した。
「卒業、おめでとうございます」
時計の針は、また刻一刻と進み、止まることはなかった。
——よし。
もう泣かないよ。だって、永遠のお別れじゃないんだもん。
4月からは、私達が最上級生。
最高の1年に、してやろうじゃん。