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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.78 )
日時: 2011/06/04 22:42
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼  プリクラとりたいよ〜





 第137話





 「あのさ……」



 準備室の椅子に座って、私は話を切り出した。
 やっぱ、いざ声に出すとなると緊張する。
 思わず俯いた。





 「……気になる人ができた、かもしれないの」
 「そうなの? 誰?」



 絵磨は、目を見開いて尋ねた。
 ……誰って……ちゃんと名前をいうってことは、その人が気になってるかもってことだよね?
 いや、それは当たり前のことなんだけども。



 「……まさかの戸川?」
 「なんでぇっ! 違うよっ!!」



 な、なんで戸川なんだっ!!
 まぁバレー部で、背も高いけどさぁ……。
 優志と肩を組んで歩いてたしさぁ……あの人。
 でもって、井下とか喜多田とか、野球部系男子とつるんでるから、どんな人なのか謎だし。
 って、そうじゃなくて——




 「戸川じゃない、絶対違う!」
 「なーんてねっ嘘嘘、高森でしょ?」
 「!」




 さらりと当たり前のように、言い当てた絵磨。
 ちょっとビックリ〜……いや結構ビックリ〜……。
 私は、驚いて開いた口がふさがらなかった。





 「な、な、なんで」
 「……図星だね。わかるよ、香織みてたら」
 「わかる?」




 わかるって……そんな露骨に態度にだしてたかなぁ。
 もしそうだとしたら、結構恥ずかしい。





 「そりゃぁね〜あんなに優しくされたら、ね」
 「……っ」



 あのあと、結局お茶を返しに行くときも、高森が進んでいってくれたし。
 かわいい子しか興味ないとおもってたけど、こんな私にでもちゃんと接してくれるんだ。




 「や、でもまだ決まったわけじゃないし! 気になってるかもぉ〜って段階だから……」
 「孝文君好きじゃなかったら、ってゆうか好きな人いなかったら、絶対好きなってたでしょ」
 「……え、ま、まぁ、そうかな?」




 そうかもしれない。
 でも孝文へのほうが、ずっとずっと想いは強い……はず——





 「わ、ここにいた!」
 「っ!! 辰雅っ」



 いきなり、準備室のドアがあいて、心臓が止まりそうなほどビックリした。
 辰雅の後ろには、楽器を持った(孝文はスティック)3人がおすまし顔で立っている。



 「ここにいたんすか、1回合わせるんで来て下さい」
 「あはは、ごめんごめんごめん……」


 龍夜にいわれて、絵磨は準備室から出た。
 私も出なきゃ……——



 「ごめんごめん、うちが絵磨と話してて……」
 「さっさとしやがれ、下手くそ」
 「下手くそキーボーディスト」
 「なっ」


 龍夜と康義に、罵声を浴びせられてさすがにカチンときた。
 きぃいいいいいいいいい!!!
 家だったら、キレて暴れまくってるぞ、コラ。
 孝文は待ちくたびれた様子をみせていた。



 「……おい、はよするぞ」
 「は、はぁ〜い、ごめんね〜……」