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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.83 )
日時: 2011/06/08 22:38
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼  プリクラとりたいよ〜





 第139話




 その“時”は突然やって来た。
 



 私は、今日は部活がないのでさっさと帰ろうと鞄を肩にかけた。
 絵磨ーはやく帰ろ〜……そういおうとしたそのとき。
 高森と、数名の男子と女子の会話が耳にはいってきた。




 「え、それまぢなの?」
 「……誰だよ——」
 「教えろって……」




 なにをコソコソしているんだろう。
 私は疑問に思いながら、絵磨のところへいった。
 絵磨もその現場が気になるようで、それをみていた。




 「だからその……」
 「いや……」
 「えぇ〜」




 なにを喋っているのか全く分からない。
 高森が、みんなに何かを伝えている。
 それだけは、わかった。




 しばらくして、みんなは納得したような顔をすると、固まっていた集団は崩れ、散らばった。
 さっさと鞄を持って、帰る用意をし始めた。




 「いこ、香織」
 「う、うん」





 気になりながらも、私は絵磨と門への道を歩いていた。
 すると、人気のないところで、絵磨が口を開いた。




 「あのさ〜さっきの話、きいた?」
 「えっ? ぜんっぜん聞き取れなかった!!」



 絵磨は自他共に認める、地獄耳の持ち主だから、色んな事をよく聞き取れるんだよね。
 私は「なにを話してたの?」と尋ねた。





 「あのね……








       高森に、気になる人ができたんだって」





 気になる人ができたんだ〜ふ〜ん、なんだそんなことか。
 …………。
 ……って——




 「ええええええっ!!!??? まぢなの!? それっ」
 「しっ、声大きいよ! ……うちが聞いた限り、そうだよ」
 「……へ、へぇ……」





 ……あははははは、別に悲しくはないよ?
 好きになる前の段階……ってとこなんだもん。
 ふっ、まぁアイツは女好きだから、気になる奴くらいできて当然。





 「ソフ部の背番号9番の人だってさ」
 「ふぅ〜ん……」



 ソフ部のことはあんまよくしらないから、見当がつかない。
 あいつは面食いなはずだから、きっとかわいい人だ。
 



 「…………」
 「あれ、香織落ち込んで……」
 「ないないない! どうでもいいし! 高森頑張れよ〜……」
 「なに最後の間、やっぱちょっとショックなんでしょ」
 「……ショックじゃ、ない」





 そんなことないよ。
 そんなことないはずだよ、うん。
 あんなの、どうでもいいよ!





 やっぱり、私の好きな人は孝文。
 孝文一筋!! そうだ、一途極めるんだもん!!
 そう自分にいいきかせて、私は絵磨に違う話題を振った。
 明日になりゃあ、どうせ、高森への気持ちなんて忘れてる。