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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.84 )
日時: 2011/06/09 22:02
名前:  苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼  プリクラとりたいよ〜




 



 第140話



  

 やっぱり、私の好きな人は、孝文。
 高森俊也なんてもう気にならないから。
 自分にそういいきかせて、私はできるだけ、高森のことを忘れるようにした。
 ……一番眠い授業、理科の最中。
 あーあ、めんどくさい、意味わからん、はよおわれ。
 そうおもって頬杖をつきながら、一応ノートは写していた。




 そのとき……——






 右隣から視線を感じた。
 高森が、また私のほうをジーッとみているのだ。
 なっ、なっ、なんなの!!
 ……気になる女子がいるなら、他の女子は見ないでいいじゃん。
 その子だけ、見ておけばいいじゃん。



 なんで、こっちみるんだよ。
 思わせぶりなことするんじゃねーっ!!





 心の中でそう唱えていると、それが通じたのか、高森は黒板に視線を移した。
 あー……もう、あんたはノートうつしとけっての!!
 ……早く、席替えしたいな。
 席替えしたら、高森のことなんか、完全に忘れるはずだ。
 



 「そして梅雨前線が……あら、チャイム——」




 声の小さいおばさん理科教師は、チャイムの音に気付き、声がぴたりととまった。
 口はぱくぱく動かしてるから、多分なにか話している。
 でも、チャイムの音にかき消されている。





 「これで、授業を終わります」




 そして号令とともに、理科の授業が終わった。





 「あー」




 高森は、教科書を机の中にしまって、屈伸をした。
 ……あーじゃねぇよ、なんなんだよ。
 私は心の中で思うと次の時間割を確かめた。



 えーと、次は社会ね……。






 「あのさあ」





 高森が、後ろの席の竹上に話しかけている。
 ……なにを話すのかな。





 「……なんか、もう興味なくなった」
 「何が?」
 「例の人」
 



 ……ってええええええ!!??
 例の人って、高森が気になってる人のことだよね?
 えっ? まぢで? なんで?




 「はーあ? ……男心は移り気が激しいな」
 


 竹上は、ため息まじりに、呆れたような声で言った。
 同意同意、まったく同意!
 女心と秋の空とかゆーけど、男心もいっしょのようなもんだね。




 それから、すぐにまた昨日のように、男女数名が集まって、会議っぽいことをはじめた。
 ……なんなんだ。



 「ええ? もう興味なくなったの? 早っ」
 「どんだけ」
 


 みんな、びっくりしていた。
 ま、そうだよね。1日で興味なくなるって、すごいよ、うん。











 少しだけホッとする自分が、嫌だった。
 そして、席替えやっぱしなくてもいい、って思う自分も嫌だった。
 ほんとばかだよね。
 なに、ホッとしてんの。
 どうでもいい……はずなのにさ。





 「ねー絵磨、ちょっときいてよ」
 「例の話でしょ? うちの地獄耳なめんなよ!」
 「さすが絵磨ぽよ! 聞いてたんだね!」
 「ふっふっふ〜……高森、なんか気まぐれな奴だよね」




 絵磨が眉間にしわを寄せる。
 私は、大げさに首を縦に振った。




 「でも前の彼女に対しては、一途っぽくね」
 「……う〜ん……あの人、謎だわ」
 


 女ってよくわかんない、ってのをきくけどさ。
 男ってのも、よくわかんない生き物だよね。
 結局異性ってゆーものは、よくわかんない存在なのかもしれない。