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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.96 )
日時: 2011/06/18 00:36
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   ▼ はやく7月になれ!





 第142話





 「……そういう冗談、いらねぇし!!」


 
 困った顔をした孝文の声が、音楽室中に響いた。
 すると、戸川が頬杖をついて反論した。


 「こんな冗談いいに、部活遅らせてまでくるかっての」
 「……ま、まぁ、たしかにそうかもですけど……」



 自分より背の高くて、ちょっと怖い雰囲気の戸川に、思わず敬語&言葉がつっかえる孝文。
 その場の雰囲気を変えるかのように、辰雅が口を開いた。



 「本当にっここにはいってくれるんですか?」
 「そのつもりー」
 「……でも、入ったとしても半年しかないんだよ? それに今の部活との両立はどうするの?」


 絵磨は、眉間にしわを寄せて尋ねた。
 優志と怜緒のサッカー部は、火曜〜木曜と土日の週5回。
 戸川のバレー部は、水曜〜日曜日の週5回。
 美里奈の吹奏楽部は、火曜日〜日曜日の週6回。
 愛可は、サッカー部の応援。



 「……みんな月曜日は、部活ないよな、大会前以外は」
 「うん、月曜ならこれるよ」
 「……でもさ、入る意味じゃない? バンド個人で組んでるんだから、それでいいじゃん」



 私は、自分の思っていることを言ってみた。
 すると優志が突然、ふっといボサ眉をつり上げて、机を叩いた。
 



 「ばっかやろう!! 俺たちが軽音楽部にはいりたい理由が、わからないってゆうのか!!」
 「あんたたち物分り悪いね、個人のバンドってさぁ、本当に“個人”なんだよ」


 美里奈が、ドヤ顔で意味不明なことを喋りだした。
 つづいて怜緒も、口を開く。



 「つまり、ライブとかもあんまできないし、知名度もないし……正直むなしいだけなんだよな」
 


 それだったら、最初からバンド組むなよ……。




 「しかし! 軽音楽部は、入部半年で、文化祭ライブにでれる!」
 「しかも! 上手くなったら知名度もあがって、人気もでる!」
 「現に去年のライブも、すっげぇ歓声だったじゃん」


 優志、愛可、戸川はいいたいことを述べた。




 「……で……入りたいと、そゆことすっか?」
 「そういうこと! 龍夜君、勘鋭いね〜」
 「別に鋭いとか関係ないけど……」



 美里奈に褒められて、龍夜は頭をわざとらしくかいた。
 すると、急に優志がポンッと手を叩いた。




 「あ、そうそう、あとこの時期に軽音楽へ入ろうとおもったのには、もう1つわけがあるんだ」
 「なに?」



 康義が尋ねた。




 「先輩がいなくなったからだよ、卒業したしな」
 「ああ……」




 先輩かぁ、確かに先輩ははたから見れば怖かったかもしれない。
 




 「ってことで、入部届けだすんでよろぴく〜!」
 「ほな、ばいなら!」



 変なセリフを喋って、平安ズは音楽室をあとにした。
 


 「にしても、まぢで入部となると、ややこしいな」
 「うるさくなるぞ……」
 「……あの——」




 新たな声が、ドア付近からして、私達は一斉にそっちをみた。
 すると、オドオドした顔の女の子がたっていた。
 女の子だけじゃない、後ろにはたくさんの人たちが立っている。




 「軽音楽部、入部希望です!!」
 「え?」





 そのなかには、4年生だけじゃなくて、他の学年も混じっていた。
 ……軽音楽部、先輩が卒業して、急に部員がたくさんはいりそうです——