コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:    恋時計  +半実話+ ( No.131 )
日時: 2011/07/06 22:38
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照: http://x58.peps.jp/knm1996/




 第146話




 「まぢで?」
 「まぢだよ、デュフフフフフフフフフフフ」



 優志は気持ち悪い笑みを浮かべて、ドーナツをむしゃむしゃ頬張る。
 その姿に、おもわずゾッとしてしまった。


 「じゃ、誰かいってみなよ」
 「……オウフ、いうぜ」



 優志は、ミステリアスな表情で、私のほうを見た。




 「孝文、だろ?」
 「……うん」




 私は小さく頷くと、続いて愛可が声を出した。




 「いやぁ〜ん、香織のその気持ちわーかーるっ!」
 「え?」
 「孝文君でしょぉ? かーわーいーいーよねぇ」
 「「かわいい!?」」



 私と絵磨の声が見事にはもった。
 愛可は体をくねくねさせながら、1人で興奮している。
 優志はその光景をみながら、ジュースを飲んでいる。




 「……もしや、辰雅と間違えてない?」
 「えぇ?! 辰雅君はちっちゃいほうでしょぉ〜? 孝文君はおっきいほうでしょ?」
 「え、あ、うん、そうだけど」



 愛可はそういうと、七三前髪を強調して、いきなり立ち上がった。





 「あの顔とか表情とか声とか全部かわいい〜っ、愛可、あのコ弟にしたぁ〜い♪」
 「俺と結婚したら、義弟になるぞっ」
 「いやぁ〜〜早く結婚したぁい!」



 ついに優志と愛可は、自分達の世界に入ってしまった。
 ……ちょっと、周りの人ドン引きしてますよ〜……とはいえない。
 思い切って私は、2人に話しかけてみた。



 「あの、かわいいってちょっと違う気がするんだけど……何を根拠にいってるの?」
 「えぇっ!? あんた本当に孝文君好きなの? かわいいじゃんっ」
 「……か、かわいいっていうのは、小動物とか、赤ちゃんとか、そういうものみていうもんでしょ?
 もしくは、モデルさんとか……ほら芸能人! 顔かわいい人!」
 「えぇっ!? でも愛可には、それくらいかわいくみえるもんっ」
 「……あ〜わかったよもぅ、かわいいんだね、はいはい」



 反論するだけ無駄、とおもい何も言わないことにした。
 そして絵磨が、ついに口を開いた。






 「でも……なんで、知ってるの?」
 「あぁっ! ……勘」
 「なわけないでしょ!!」


 優志も愛可も突然、困り顔になった。
 冷や汗をかいてるようにも見える、なにか隠してる……?



 「デュ、フフフ……でもなぁ、ああああ」
 「……もぉいっちゃってもよくなぁい? この2人、しつこいし」
 「……そうだなっ」



 愛可の最後の言葉が余計だけど、どうやらなにかいうらしい。





 「え、絵里那……石山絵里那から聞いた!!」
 「絵里那?」



 絵里那とは、最近全く会話して無いし、孝文がスキって言った覚えなんてないし……。



 「え、絵里那は誰から聞いたって?」
 「ん〜とね……森野」
 「森野ぉ!?」


 森野……なんで森野? え? なんで?
 私はただただ、目を瞬きさせた。開いた口がふさがらない。




 「……森野にも絵里那にもそんなこと一言も……」
 「ごめん香織!」
 「え?」



 突然絵磨が、何故か謝ってきた。
 頭にはさらに?マークが浮ぶばかりだ。




 「あいつら『香織の好きな人は優志だ』とか『でも、かなわない片思いだな』とか『かわいそうだな、哀れな香織』
 とか『かなうわけねぇじゃん、愛可がいるのに』とかゆってて!! 望と森野とか天見が!!
 んで、うちカッとなって『香織が好きなのは、三井の弟の孝文ってやつだし!』ってゆっちゃった……」
 「そ、そうだったんだ……」



 あいつらめ、散々よくいってくれたじゃねぇか!!
 今度会ったらみてろよ……。




 「全然、大丈夫だよ! ってかそれどこまで広まってるよ?」
 「……ん〜まだ8年生の頃かな、でも意外に学年に孝文君知ってる人少ないから、あんま関心なくて……
 だから今はみんな忘れてるんじゃないの? 香織にそれをいおういおうずっとおもってて……」
 「へぇ〜……」





 
 誰がなんといおうと、私はあの人が好きだ。
 そう確信した。