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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.139 )
日時: 2011/07/09 22:29
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照: http://x58.peps.jp/knm1996/




 第147話



 「とりあえずね〜孝文君わね〜かわいいことを伝えたかったの!」


 愛可は、ドヤ顔になりながら、それを主張した。
 私は目をほそめて「そうっすか……」と返事しておく。
 すると、今度は優志が何かを喋り始めた。



 「あ、久保の好きな奴も知ってるぜ」
 「えっ!?」



 絵磨は、森野や絵里那とか、まぁ大抵の人には自分の好きな人をいってあるからね……。
 とりあえず多くの人に知ってもらって、味方につけてもらう。それが絵磨の作戦なんだよね。



 でもまさか、この2人に知られるとは……。




 「誰よ、いってみな」
 「2組の珠紀壱だろ、テニス部の」



 優志は、太いボサ眉をあげたりさげたりしながら、キモイ笑みを浮かべた。絵磨は正解と呟く。



 「いやぁ〜ん! 絵磨が壱好きなのわぁかぁるぅ!」
 「壱って……」


 絵磨が小声で呟いたのは、聴こえて無いらしい。
 愛可はまた興奮し始めた。




 「ちょぉかっこいいもんねぇっ! もぉ愛可、中1のときあの人のこと好きだったんだよぉっ」
 「えっ? そうなの?」
 「安心してぇ、今わ、優志しかいないからぁっ、うふっ」


 愛可はそういって、優志にウインクした。
 優志は頭をぼりぼりかいて「うへっ」と笑う。




 「と〜り〜あ〜え〜ずぅ、恋してる4人組〜てきなかんじで、プリクラとろぉよぉっ」
 「とろぉょぉっ」



 愛可の口調を真似る優志は、恐ろしく気持ち悪かった。
 一応、無視して私達は「え……」と言葉を濁す。




 「デートの邪魔になるし! それこそっ、いいよ」
 「んな遠慮いらないの〜っ」
 「……遠慮じゃ、ないし」




 私が言うと、愛可は怒ったように頬を膨らませた。






 「……そうそう、あのね、この前〜優志の家いったんだけどぉ」



 今度はまたなんか話しかよ。
 とりあえず、耳を傾ける。





 「孝文君がちょぉ優しかったの! 愛可のために、お菓子もってきてくれたんだよぉ〜」
 「さすが俺の弟、礼儀ってもんをしってるな」
 「もぉ孝文君、まぢいい人だからぁ、そのほかにわねぇ〜……」


 愛可は何故か、自慢話を持ちかけてきた。
 でも、私には耳にあんまりはいってこなかった。
 すると、突然話は珠紀君のことにかわる。



 「壱もいい人だよ〜愛可が転んだ時、保健室までつれていってくれたのぉ! 他には……」
 「もういいよ」



 絵磨が突然、険しい表情になって立ち上がった。



 「なんだかんだいって、自慢したいだけじゃん、もう帰るから」
 「あっ、ちょっとまってよぉ〜」
 「じゃあね」




 絵磨はそういうと、さっさと店を出て行ってしまった。
 うちも、それを後から追いかける。












 「絵磨」 
 「んっとにむかつく!! 最初からあいつらの目的わかってたかんね」
 「最終的に話進めて、諦める方向に持って行きたかったんだよ!」
 「……どういうこと?」



 頭がアホな私は、充分に理解できなかった。




 「きっと愛可は『壱も孝文君も愛可に気があるんだよぉ〜』とかなんとかいいだすんでしょ」
 「……ん〜でも愛可には、優志がいるじゃん」
 「っていうか、あの話が本当なら、三井はあんなへらへらした表情浮かべて無いし」



 なるほど……愛可に対して、絶対嫉妬するはずだもんね。
 絵磨は、勘が鋭い。




 「でも! 人がなんといおうと、うちは壱が好き」
 「あっ……わ、私も!」




 私も——……
 孝文の事が、すっごく好きだよ。





 そういいたかったけど、言葉に出すのは恥ずかしかった。