コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 +半実話+ ( No.147 )
- 日時: 2011/07/12 23:19
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ 1学期もあと、5日!
第148話
GWもあけて、いよいよ五月病発症。
私は、ため息をつきながら、それでも絵磨と喋りたかったから、とりあえず学校へ向かった。
……絵磨がいなかったら、学校なんてぜってぇいってねぇし。
そうおもいながらも、授業を終えて、いつの間にか放課後。
私は、いつもどおり、何も考えずに音楽室へ向かった。
「よっす……ってうわ!」
私と絵磨が音楽室のドアを開けると、俯く4人の姿があった。
いつもは、ボケーッとしながら喋ったりしてるのに、今日は実に暗い。何も喋らない。
鞄を置くと、絵磨が恐る恐る4人に尋ねてみた。
「……どうしたの? そんな落ち込んで」
「……絵磨先輩、忘れたんですか、今日はGW明け」
「うん」
「……新入部員が……来るんですよ」
孝文がそういって、机にうつぶせになった。
「え? 新しい人来てくれるんじゃん」
「……それはそうだけど……問題は……」
「あ」
忘れてた。
そういえば体験入部の日……——
「こんにっちああああ!!」
きた。
「あっれぇ〜なんか暗くね? やなかんじなんですけど〜」
「もっとテンションあげてこうぜ! デュフ」
「もぉみんなぁ、こっちみてよぉ!」
「なんか声かけてよ」
「お〜〜い、なんでそんな無反応なんだ〜?」
美里奈、優志、愛可、怜緒、戸川の順で喋りだした。
そう……実は、この人たちも今日から、列記とした軽音楽部員。
「……ああもう! さっさと座っとけや!」
「ひぇえええ、絵磨こわいいいい」
「いいから黙れ!!」
不機嫌な顔の絵磨の怒鳴り声が、音楽室中に響く。
5人は、ブルブル怯えながらも、奥の席に座った。
**
(他の新入部員もいますが、都合により平安だけお送りします←)
「えーっと……ギター誰だっけ?」
「「はい!」」
絵磨が、確認する。隣には辰雅と康義もいた。
美里奈と戸川が、声を揃えて返事した。
「もぉ、美里奈たち事前にマイ楽器用意してきたんだからね」
「俺もだよ」
2人はドヤ顔になりながら、ギターケースからギターを取り出した。
そして3人に対して、勝ち誇った顔で、ギターを見せ付けてくる。
「……あの、なんか弾いてみて下さい」
辰雅が少し怯えながら(引きながら?)言うと、美里奈は、ギターをアンプに繋いで、構えた。
……この顔! もしかすると、もしかするかもしれない。
「ドーレーミーファーソーラーシードー」
……——
「……えっ終わり?」
「うん」
なんじゃそりゃああああああああ!!!
美里奈が自信満々で弾いたのは、なんとドレミの単音だけだった。
呆れ顔で、康義が口を開く。
「ギター歴どれくらいでしたっけ?」
「1年くらいになるかな〜?」
「……1年でそれしか弾けないってあんた、ずぅううっと触ってなかったんじゃないの?」
絵磨が、眉間にしわを寄せて、尋ねた。
「だってぇ吹部やってるしぃ〜……ほこり被ってたよ、これ」
「おいおいおいおい……それ、バンドしてる意味あんの?」
「てへっ」
美里奈は、かわいこぶって、舌をぺろっと出した。
それはスルーして、今度は戸川が何かを弾きはじめた。
「あいして〜るぅ〜のひ〜び〜きぃだぁけぇでぇ」
戸川は、なんとかスピッツの曲を弾き語りしていた。
終ると共に、拍手が起こる。
「……上手いんじゃない?」
「歌はちょっとあれ……ですけど……」
「リズムが若干ずれてますが、いいと思います」
絵磨、康義、辰雅はとりあえず言いたい放題だった。
「よしっ! 文化祭まで半年! 死ぬ気でとっくんするよ!」
「げえええ……」
絵磨の張り切り声に、2人は自信を喪失した表情を浮かべた。