コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 +半実話+ ( No.148 )
- 日時: 2011/07/13 15:16
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ 1学期もあと、4日!
第149話
5月も中盤に入り、いよいよ修学旅行が迫ってきた。
今年から、6年生は京都と三重、9年生は沖縄に統一されていて、時期も全く別になった。
思えば……6年生の頃。大和先輩が中学3年生で、一緒に修学旅行に行った記憶がある。
先輩はすっごく頭がよくて、正直すっごく憧れていた。
その先輩も今では、高校3年生。忙しくて滅多に顔を出さないけど、時々軽音楽部に来てくれる。
「そういや、今週なってから1回も兄ちゃんと喋ってないや」
土曜日のお昼。学校の前にある公園で、絵磨・私・桜先輩・凛子先輩・里子先輩で集まっていた。
そのとき、桜先輩がふと口にした言葉だ。
「えぇ〜!? どんだけ仲悪いの」
「別に悪くないし〜あんたは知ってるでしょ、凛子」
「ま、そうだけど……なんで?」
凛子先輩が、ジュースを飲みながら尋ねた。
「だって、朝はめちゃくちゃ早く家出るし、帰ってくるのは深夜とかなんだもん」
「深夜!? なにやってんの、大和先輩」
「ん〜……部活? あ、あとなんか大学受験のために、塾いってる」
大和先輩は、有名な国公立の大学を受験するらしい。
高校でも軽音楽をやっている先輩は、文化祭で引退したあとは、本格的な受験モードにはいる。
「おぉ〜! 大和先輩なら、現役合格も楽勝っしょ」
「どうだかね〜……最近なって、成績伸び悩んでるってゆってたけど、うちにしたら全然いいほう」
「でもそれじゃあ、国公立は難しいんじゃないの〜?」
「いや〜センター試験ってのはさ〜」
3人の女の先輩は、大学の話に夢中になっていた。
大学受験……よくわかんないや。うちらはその前に、高校受験がある。
あ〜……先輩方も経験した、高校受験。
きっと、ほとんどの誰もが、人生に一度は体験する、入試。
「……絵磨」
「ん?」
「……絵磨ってさ、志望校とか決めてる?」
中学3年になったら、きっとみんながするとおもう、この話題。
絵磨は、首をかしげながら「まだ決めて無いよ」と答えた。
「よかったぁ〜! もう決めてる人とかいるしさ〜」
「いるよね〜でもまぁ、決めるのはもうちょいあとでもいいよね」
こうやって、のんきに笑ってられるのもあとどれくらいだろう。
いつかは、私も現実と、自分の将来と向き合わないといけない。
絵磨とは、小1からずっと一緒だったけど……離れるなんて、ありえないよ。
中2のときに、クラス離れて、どんなに寂しかったことか。
やっぱ、私は絵磨がいないと無理だ、うん。
「ねえ、絵磨」
「何?」
「……私ら、1年後どうなってるんかなぁ」
空を見上げながら、何気なく呟いた一言。
「う〜ん……」
絵磨はしばらく、黙り込んだ。
「変わって無いんじゃない? きっと今までどおり馬鹿なこと喋って笑ってるよ」
絵磨は、無邪気な笑顔でそう答えた。
何故か急に、胸が締め付けられる感覚を覚えた。
「そっ……そうだよね! うち急になにいってんだろ!」
「お〜いそこのお二人さん! 虹ヶ丘来る気ない?」
突然、桜先輩が私達にそういった。
「え? 虹ヶ丘ですか?」
「そうだよーめっちゃ楽しいよ〜制服可愛いよ〜いい子ばっかだよ〜食堂のご飯おいしいよ〜」
里子先輩も、自慢のおっきなピアスを揺らした。
「でも、虹ヶ丘ってレベル高いし……」
「だぁいじょうぶ! 里子や健も受かったんだから!」
凛子先輩は、中学の時と変わらず、ゆるみつあみをしている。
うち、髪の毛切っちゃったからな〜……。
また伸びたら、凛子先輩みたいな髪型してみたいな。
「って急にこんなんいわれても困るよね! 考えといて!」
「はい……」
先輩たちは、1年前、どんな気持ちだったんだろう。
ふと、そう考えた。