コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 +半実話+ ( No.229 )
- 日時: 2011/08/04 19:50
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: 文字数オーバーしたの初めてだΣ
第157話
「ねぇ、あれみて」
絵磨が指差す方向には……——
砂浜で突っ立っている、高森の姿があった。
高森は、全身の黒水着をきていて、何食わぬ顔をしている。
「ぶっ、ちょ、なにあれ」
「女子みたいな水着……」
1日目のガマ体験(防空壕みたいな)にも、1人だけ迷彩柄のコートつけてたし……。
色々、なにかと目立つ、高森君です。
しかし……——
次の瞬間、私はすごいものを目にした。
「……ねぇ、あれみて」
「……ん? うわっ」
平安カップルが、抱き合っている光景を……。
ロープで区切られている海の範囲の、端。
そこに、優志と愛可の姿があった。
……それをみんな、見ぬフリをして、遊んでいる。
えっ? みんなちょっと、リアクション起こそうよ。
「……ん」
「もう、優志……」
え、かなりやばい、なにあれ。
「密着してる」
「ね」
すると、他の人も気付いたのか、皆平安を見始めた。
それを2人は、気付かないフリをしているけど……。
気付いてると思う。
「うっわ〜なんだありゃ!!」
「きもい! きもい! きもい!」
「ははははははははっ」
皆言いたいことを、言いたい放題。
てか、いつまで抱き合ってんだ。
「優志ぃ、あたしねぇ、幸せだよっ」
「ん?」
「優志とぉ、海でこうやって遊べてっ!! 本当幸せだよ?」
「……俺もだ愛可! 愛してるぞっ」
ちょっと、皆みてるんですけど。
なんでここまで、シカトできるの!?
ある意味、尊敬しちゃいます。
「愛して……ああん」
「うわっ!!」
みんなの声が、重なった。
2人は、抱き合ったと同時に、海の中へ消えたのだ。
ざぶんッという音を出して。
そして、びしょぬれになった2人は、再び姿を現した。
それを何度も繰り返している。
……もはや、誰も何もいえない状態。
「いっちゃってるあいつら」
「なあ」
すると、美里奈・怜緒・戸川の3人がやってきた。
「おぉ優志と愛可ぁ! むっちゃラブいぢゃ〜ん?」
「よっ! 日本一カップル!」
「いや、世界一だ!!」
3人のはやし立てる声がこだまする。
砂浜にいる組も、みんなこっちに気付き始めた。
「あぁ、美里奈たちじゃん!」
「遊びに来たぞ!」
「5人で遊ぼうぜ」
すると、5人は手をつないで輪になり、なんどももぐりはじめた。
めちゃくちゃ異様な光景に、辺りはしーんとなった。
それに気付いてない遠くの人の声だけが、こだまする。
「……いこ」
「ん、うん」
私と絵磨は、素早くそこから抜け出して、遠くへ逃げた。
楽しいはずのビーチが、なんでこんなことに……!!
**
晩御飯は、焼肉。それから、お風呂に入ったあと、広場に集合。
ここで、レクをみることになっていた。
「ねぇ、レク誰がでるんだっけ?」
「えーっとねぇ……」
絵磨が、天井を睨みつけながら、考えた。
……しばらくして、答えが返ってきた。
「座布団回しの加西さんと、吹部とソフ部とサッカー部と野球部だよ」
「おぉ〜! てか加西さん……座布団回して」
「めっちゃ上手いらしいよ」
「へぇ〜!」
確かに、加西さんの座布団回しはすごく、歓声が上がった。
加西さんは、ちょっとミステリアスだけど、面白いことを言うので、人気のある女の子。
周りは爆笑に包まれた。
……そして、吹部は。
黄色い被り物を被った集団が、ぞろぞろでてきた。
……どうやら、オカレモンを踊るらしい。
「みてみて! あれ美里奈」
「ぶっ、うわっ」
美里奈は端のほうで、レモンの被り物をして、ノリノリだった。
えっ……ちょ、やばっ、美里奈似合ってる。
「続いては、ソフトボール部です」
ソフトボール部は、男装している人もでてきて、恋愛の劇をみせてくれた。
ボーイッシュなベリーショートの女子が、男装がマッチしすぎていて、かなりウケた。
ってゆうか、演技なんかうまいし。
「続いては、野球部です」
アナウンスが聞こえると同時に、変な集団が舞台からでてきた。
……野球部の一部の男子が、バンダナにシャツIN、あげぱんというオタクファッション。
「おい、おまえ! 歌えよ!!」
「……あいうぉんちゅーあいにんちゅーあいらびゅー」
「違う! もう! こうなったら、あれを呼ぼう!」
「HKB! HKB! HKB!!」
オタク役の人が叫ぶと同時に、AKB48の曲が流れ始めた。
するとみんなは、一斉に後ろを振り返った。
大勢の野球部員が、女装をしてやってきたのだ。
ダッシュで舞台に上がると、そいつらは踊り始めた。
「あいたかった〜あいたかった〜あいたかった〜イエス!」
「キミに〜」
黒のTシャツ、水色のゴミ袋のスカート、黒の靴下。
AKB(HKB?)役の人のうしろのオタク役は……。
オタ芸をしていた。さりげなく。
「ぎゃははははははははは!!」
「あはははは! ウケる〜ぶっ」
周りは爆笑につつまれ、もちろん私も大爆笑。
かなりやばい、これ、最高!
続いては……。