コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 +半実話+ ( No.262 )
- 日時: 2011/08/20 00:39
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: 触れようと思えば逃げていく なんで?——
すぐさま私は、教室を飛び出して、女子トイレに駆け込んだ。
チャンス、今はどうやら誰もいないようだ。
そして私は思いっきり拳を握りしめ、勢いで壁にぶつけた。どーん! という鈍い音が響く。
そしてかすかな振動。……拳は結構痛いけど、こうでもやらなきゃ、ストレスたまって本当にやばい。
すると、トイレのドアが開いた。誰かと思ったが、その姿を見て私は一安心した。
「おー絵里那、奇遇」
「……まぢ島木のやつムカつくの、うちに実行委員の仕事押し付けやがって!」
「まぢで? うざいねー」
「押し付けるなら最初から実行委員なんて、立候補すんなっつうの」
田島沙理、端枝沙羅、戸川里加。うちらふぁむってグループ名があるんだけど、信用できる3人組。
まぢこいつらいなきゃ、学校なんて絶対の絶対にいかないし、人生も終わってたと思う。
まぢこいつらいなきゃ無理、いなくなったら本当無理。
「島木うぜー5組女子うぜー」
「……ま、陰口ばっかゆうとあいつらと同類なるからやめよ、違う話しよー」
沙理は、いつも大人な目線から意見を出してくれる。
結構参考になるし、たまにえらそうだけど、でもそんな沙理がうちは大好きだった。
「あっそうそう! GWに駅前に新しいケーキ屋さんができたんだー」
「まぢで!? めっちゃいいじゃん!」
沙羅の発言に、里加が目を輝かせた。
「今度の土曜にでも、みんなでいかない?」
「さんせー、あ、でもあんま食べたら太るからちょっとにしよー」
こんなかんじでうちらは、いつも盛り上がっている。
沙理は1組、沙羅は4組、里加は2組とみんなクラスは違うけれど、でもいつもつながっていられる。
この3人がいてくれて、本当によかったなぁ。
——放課後。
私は鞄をもって、とりあえず学習室に移動した。掃除も終わり、みんながいなくなったころだ。
……あれ? 一番乗りかな? 学習室には先生すらいなかった。
でももう帰りの会してから、30分はたってるはずだから、1人くらいいてもおかしくない時間だ。
私はとりあえず、適当な席にすわり、携帯を開いた。
暇つぶしに違うことでもしてよー。
「……こない……」
おかしい、もう4時半。今まで携帯に夢中で気づかなかったけど、だーれも本当にこない。
運動部の激しい掛け声と、テニス部や野球部のボールの打つ音、吹部の楽器の音、軽音部の楽器の音。
他に聞こえてくるものはなにもなかったし、人も通らなかった。
「チッ」
騙された。あいつに。私は、駆け足でそのままテニスコートへ移動した。
みると島木は、普通に水筒のお茶を飲んで休憩していた。くそっ、うちだって喉渇いたっつーの。
「おい、島木」
気付いたら、私は思いっきり叫んでいた。
テニス部の人たちが、一気にこっちに振り向く。
「あれぇ、石山さん、どうしたのぉ?」
「どうしたじゃねーよ! お前嘘ついただろ」
「……バカじゃない、先生があんなに昼休みに集合っていってたのに、聞いてなかったの?」
由菜は、またも勝ち誇った表情を見せた。
私のイライラゲージはたまるばかり。
「なんで嘘ついた?」
「嘘ついてないよぉ? 最初は本当に放課後だったもん!」
すると周りからも「そうだぞ」という言葉が聞こえてきた。
……なにこれ、私が悪者みたいになってるじゃん。
……もうめんどくさい、帰ろう。
「もうあんたの頼みなんて聞かないから」
私はそういって、走って家に帰った。