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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.265 )
日時: 2011/08/20 20:18
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:   触れようと思えば逃げていく なんで?——






 私は、森野とニケツして、近くのゲーセンに向かった。
 てかショッピングセンター?
 ここなら、ご飯も食べれるし、暇つぶしになる。



 「てか完璧サボりじゃん」
 「いーだろ! たまには! 学校いってストレスためるより、絶対いいって!!」


 森野はそういって、無邪気な笑みを浮かべた。
 ……なんなんだ、こいつ。



 「それになんだ? ずっとあそこにいるつもりだったのか?」
 「う、うーん……」
 「あそこだと蚊にもかまれるし、第一暑苦しくね? こっちだと涼しいし楽しいし♪」




 んま、いいっか。たまには森野の相手もいいかもしれない。
 私は「だね」といって、初めてそのとき笑みを浮かべた。




 それから、森野はメダルゲームで遊びまくって。
 その間、うちは近くの店で買い物。
 自販機でジュース買って、語ってるうちにお昼になった。



 「あんさー」




 ファーストフード店に立ち寄り、席に座り食べようとしたとき。
 森野は深刻な顔で、なにかを喋り始めた。




 「……お前本当のとこどうなの。まぢ虐められてんの?」
 「だから違うって。……でも周りからみたらそうみえるかも」
 「……なんでだ? お前虐めされるような奴じゃないだろ?」




 なんでだろう。自分でもそのへんはよく分かってない。
 ただ、周りの女子から良く思われていないのは、重々承知してる。
 だから友達だって、本当に少ないんだ。



 「……島木の存在?」
 「島木? 誰それ」



 島木由菜は、中学からこの学校にはいってきたため、多分森野は知らなかった。
 


 「なんかめっちゃうざい女。テニス部で、とりあえずうざい女」
 「ふーん。そいつがどしたの」


 森野は、いつもと違う顔で私の話を聞いてくれた。




 「あいつにだけは口論に勝てないの。なんか、あいつにだけは頭あがらないみたいな?」
 「そんな強い奴なのか」
 「強いっていうか……」



 力だったら、当然私のほうが勝ってると思う。
 あんなひょろひょろしたやつ、一撃で倒せると思う。



 「いっぺんヤキいれてやれよ」
 「……んーもうそれはしない。うち大人になったから♪」


 最後の方は、冗談半分でいってみた。
 けど、森野はなおも深刻な顔をしていた。



 「なんかもう関わるのめんどいんだ。だるいっていうか?」
 「……それって」




 森野は、森野と思えない発言をした。




 「それって、逃げてるだけじゃねえのか」







 「……なんで」
 「苦手な奴の1人や2人、誰でもいるだろ。俺だって結構いるもん。正味そういうのめんどくさいよな、でも」
 「でも?」


 なんだ、森野らしくない。
 ゲーセンつれてきたくせに、なにが逃げてるだけよ。
 


 「それは、仕方ないことじゃねえのか? 人間、みんながみんな合うとはかぎらねーしさあ」
 「……ん」
 「たまたま運が悪くて、島木と同じクラスになっただけだ。どうせ来年には、もう会うこともないって」



 来年。
 あーそっか、高校生になるもんね。
 あいつと違う高校さえいけば、きっともう会わない。




 「あと1年の辛抱だぜ。でも、1年辛抱するのはちょっとだるい。そこででてくるのが、友達だ」
 「友達……」
 「友達がいれば、楽しい。心強い。力になってくれる。それで、毎日楽しくなるんだ」



 ……わかるよ、あの3人がいて楽しいもん。




 「まぁそういうこった。いやな奴は無視か、戦うか。どっちかだ」
 「……森野」







 私、逃げないで戦ってみる。





 「ありがとう、色々と」
 「いやっ……まあ、その……ん。てか早く食えよ」



 森野は、頭をポリポリかきつづけた。





 「明日がんばってみるわ」
 「おぉ、その意気だ」