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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.282 )
日時: 2011/09/06 21:48
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
参照: ずっと前から彼のこと好きだった 誰よりも やっと私に来たチャンス







 第166話






 夏休み前の休日。
 さすが夏、といわんばかりに暑さは先週より増していた。
 蝉の音がジリジリうるさいし、紫外線も強い。
 ……今年も夏がきた! 私はそうおもい、気分が浮かれていた。
 ゲーセンからの帰り、私達は歩きながら、いっしょに絵磨の家へ向かっていた。




 「いやぁー今年も夏がきたね」
 



 絵磨は、照りつける太陽をまぶしそうに見つめた。




 「本当だねー、今年の夏、なにがあるんだろ♪」
 「……でもさー……なんかあんま喜べないよね」
 「え?」




 こう聞いたけど、私にはもうそれはわかっていた。
 ……中学3年生、受験だからね。




 「今年皆ね、塾の夏期講習受けるんだって! うちなんもしてないよ」
 「……勉強しなきゃやばいかな?」



 私は今にも泣きそうな顔で、呟いた。
 絵磨も焦った表情をして見せた。




 「……で、ででも! 先輩たちも去年の夏はフツーに花火大会とかいってたし……」
 「だ、だよね。てか、頭のいいところとか、受けるつもりじゃないしね!」



 私は自分に言い聞かせた。
 


 「勉強もするけど、遊んだりしよーね、お泊り会とかね」
 「そうしよ♪じゃないと死んでしまう」




 のんきな会話をしながら、絵磨の家にたどり着いた。





 私は絵磨の部屋に行き、お茶とお菓子を出してもらった。
 冷房もつけてあるからなかなか快適だ。
 絵磨は携帯をみながら、お菓子にかじりついた。



 「ねぇー香織」
 「ん?」
 「最近、恋愛のほーはどうよ」




 私はドキッとした。いきなりこんな話題を吹っかけてくるとは。
 私は微妙にはにかみながら「まぁまぁ……」と呟く。



 「告ったりしないの?」
 「……! ま、まだそんな考えてない」
 「しちゃえば?」
 「なんか、怖い」




 なんか、怖いんだ。
 もう気持ちは知られてるけど、返事を聞くのが。
 私は細かいことでも、なんでも気にするタイプだから、断られたらかなーり落ち込むとおもう。
 



 「皆、そうだとおもうよ」
 「え?」
 「……今まで辛い恋愛してきたけど、今は彼氏いる人もいるもん、真央とか」


 真央。同じクラスの、女の子。
 きっとこの学年の中で、最長記録を更新しているだろう、條島京介と池島真央。
 確か……今で1年突破で、もうすぐ1年1ヵ月だったはず。


 「真央ね、14回くらい告ったんだけど……全部ダメだったんだって。で、やっと実ったのが京介」
 「おー……すごいね」



 私は、ただ感心するばかりだった。




 「だから、香織も! ね」
 「……ん」






 すると、絵磨はなにかを思いついた顔になった。
 な、なんだいきなり。





 「メール、してみたら?」