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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.283 )
日時: 2011/09/07 19:39
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
参照: ずっと前から彼のこと好きだった 誰よりも やっと私に来たチャンス






 第167話



 「えっ、そんなん無理だよ、急に送って迷惑じゃん」
 「……香織って、めっちゃネガティブだよね」


 絵磨は、私を凝視しながら言った。
 う……た、確かにそうかもしれないけれど!


 「だってさ、怖いんだもん」
 「ポジティブに考えても、現実が上手くいかなかったら、そのぶんショックは大きいじゃん?」
 「うーん……」



 私の発言に、絵磨は声をうならせた。
 


 「……まぁうちもそう思うことあるけどね。でも、行動すること自体に意味はあるとおもうよ!」
 「そうなん?」
 

 絵磨は、とびきりの可愛らしい笑顔をみせた。
 その笑顔は、私をホッとさせる。



 「例え上手くいかなくても、行動したぶん、少しは躍進するんじゃないかなぁ……?」
 「そっかぁ……そうだよね、ありがとう」
 「まぁ、香織のペースで考えればいいし」



 それから、絵磨と恋バナを続けたり、世間話や愚痴をきいて、夕方頃にお開きになった。
 


**






 日曜日。今日は、昼すぎから出かけることにした。
 色々みたいものがあるから、1人でショッピング!
 ……さーて、なにかいいものあるかなー。



 そんなのんきなことを考えながら、歩いていた。
 すると——




 前方から、どこかで見覚えのある男女2人組がやってきた。
 あれはまさしく……






 優志と愛可カップルだ。








 やばっ! この2人に捕まったら、ハッピーショッピングタイムが……台無しになる!
 私は下を向きながら、2人の横を通りすがってやろうとおもった、そのとき。



 「あ、あ、あ、あ、あ〜?」
 「もしかして、香織!?」





 捕 ま っ た。
 私はくるりと振り向くと、愛想笑を浮かべた。




 「香織なにしてんの1人で〜」
 「ちょっと買い物をね……。2人は?」



 私が聞くと、2人は少し照れながら「デート」と答えた。
 もういいや、いこう。とおもったら、愛可が口を開いた。



 「1周年記念日のね〜デート!」
 「ふーん……」



 私は適当に返事をすると、愛可が腕時計をみた。
 そして、口を開いて驚いた。



 「やっば〜! もう塾いかなきゃ〜!」
 「え、もう?」
 「うんっ、ごめんね優志っ、じゃあね〜」
 「おお」



 愛可は、大声で叫びながら、手を振った。
 走って振り返り、走って振り返り、それは愛可がみえなくなるまで続いた。
 ……ふぅ、さて、今度こそ!!
 今日は1人でショッピングタイムを楽しむって決めたんだ!




 しかし、優志に腕をつかまれ、それはできなかった。





 「何?!」
 「……買い物にきてくれないか」
 「はぁ? そんなん知ったこっちゃねぇし」





 私はそれだけいって、優志の手を振りほどくと、再び歩いた。
 が、優志はめげずに叫んだ。



 「愛可へのプレゼント選びだよ!」
 「……?」



 私は何故か立ち止まり、優志のほうへ振り向いた。
 ……愛可とプレゼントという単語が、反応したんだと思う。



 「その、愛可からは記念日のプレゼントもらったんだけど……実は、まだ俺からなにもあげれてなくて……」
 「で、そのプレゼント選びにきてほしいと?」
 「おう!」


 優志は出っ歯をさらに出っ張らせ、屈託の無い笑顔をみせた。
 何故か、親指をたてて、得意そうになっている。



 「女子の好みってわかんなくてさー」
 「じゃあ愛可にきけばいいじゃん」
 「嫌、サプライズ風にしたくてさ。美里奈に頼んだら『カップルぽくみえるから嫌』って拒否られたし……」



 カップルっぽく……うちだって、はっきりいって嫌だべ。
 そうおもったが、黙って優志の顔を見た。




 「てかさぁ、一緒に歩いてたら、色々誤解まねかない?」
 「は?」


 優志は、目を点にして私を見た。



 「知り合いにあったら、浮気かとおもうじゃん」
 「あー……あ、てか! ついてきてくれるのか?」
 「ん」





 私は、少し考えた。
 ……そうだ! これから電車乗って、街まで行けばいいじゃん!
 そしたら知り合いに会う確率は少ないし。





 「うん」








 私は、苦笑いをして頷いた。
 が、すぐにあることをおもいついて、ニヤついた。





 「そのかわり、マックおごってね」