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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.321 )
日時: 2011/10/18 18:27
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)







 第178話





 翌日、私は学校でついに絵磨に昨日のことを伝えた。
 


 「まぢでぇ! よかったねっ、さっすが!」



 絵磨は、叫びながら喜んでくれた。私も嬉しくなる。
 





 「もー……西沢君に感謝だよ、まぢ」
 「……よかったね! んで、今日送るんでしょ?」
 「え、今日?」



 私は、目を見開きながら絵磨の顔を見た。
 絵磨は当たり前とでもいうような、表情をしてる。



 「……あれ、今日じゃないの?」
 「いや、その、うーん」




 私は、思わず俯いてしまった。今日、かぁ。
 きっと、明日もこの調子だろう。
 あさっても、明々後日も、もしかして送れない?
 ……それって、アドレス聞いた意味ないし。
 どうすれば? ……そうだ。





 私は唾を飲み込むと、再び絵磨の顔を見た。






 「絵磨、あのさぁ、私決めた」
 「……何を?」
 「明日の日付が変わるまでに、送れなかったら……」










 私はそこで、いったん躊躇した。
 あんまり、こういうことはいいたくないんだよなぁ。
 でも、自分の恋のために!
 きっと、絵磨なら協力してくれると思った。







 「口、聞かないってことにしてもいい?」
 「……ん」








 沈黙が続くが、すぐに絵磨は笑顔になった。
 



 「了解!! ……ってことは、100%送るってことだよね?」
 「もちろん!! 絵磨と口利けなくなるなんてやだよ」




 そういって、私達は顔を合わせて笑い合った。
 するとチャイムが鳴り響いた。





 よし、七瀬香織、がんばる!






















 家に帰ってきて、メールをチェックしたが、西沢君からはなかった。
 ……昨日の夜からもう、ずーっときていない。
 もしや、もう返信くることはないんかな?
 まさかのスルーですか!?
 






 それか既に、孝文に言っといてはくれてるとか!?


















 どっちでもいいや。
 もう、送っちゃおう。

















 私は、ドキドキしながら孝文宛のメールを作り始めた。
 ……大好きな君へのメール。
 


 私は、考えに考えてこんな文章を書いた。



 −−−−−−−−−−−−−−−



 香織です(`・ω・)
 急にメール送ってごめんね…
 アドレス聞いたので
 送ってみました!!
 返信くれると、嬉しいです

 −−−−−−−−−−−−−−−





 なんか、年下に対して敬語を使う私って一体……。
 でもまぁいいやぁ!! よし、じゃあ。






 私は、おそるおそる送信ボタンを押した。
 



 送信、しちゃったああああああ。








 やばいやばい、今になって緊張がもっと募ってきた。
 私は、早くなる心臓の動きを、胸に手を当て確認する。
 ……変なこと、かいてなかったかな?
 多分大丈夫だよね?








 やがて、受信メールが1通届いた。





 ドキドキしつつ、確認すると、差出人は、孝文だった。



 「! やばっ、え」




 私は驚きの余り、声を出してしまった。






 −−−−−−−−−−−−−−



 だれに教えてもらった?



 −−−−−−−−−−−−−−







 あ、ああ、ああ、ああ、はい、そうですか。
 なんかホッとしたような、寂しいようなかんじがする。
 でも、口実作っておいて本当よかったなぁ。
 西沢君に何度も感謝いたします!




 −−−−−−−−−−−−−−


 西沢って人(笑)


 −−−−−−−−−−−−−−




 私も一言の文章で送ってみた。
 ……今私、好きな人とメールをしています。
 ずっと憧れていた、シチュエーション!
 返事が来たら、なんてかえそう?



 とりあえず、なんか話題を考えようかな?
 あー、やばい、すっげぇ嬉しいんだけど。
 最高ですよ、本当に!!






 だけど、今日はずっと待っても、孝文からメールはもうなかった。
 そして夜寝る前、事件は起きた。




 「……姉貴」
 「ん? なに?」




 私は振り向き様に、龍夜に返事をする。
 龍夜は、いつもと違う、下品な笑みを浮かべて立っていた。



 「うひっひひひひひひひひひいひひひ」
 「は?」



 私は、突然笑い出す龍夜に、目を点にする。
 龍夜はそのまま、顔を近づけてきた。




 「孝文に、メールしただろ」
 「……っ、なんでしってんの?」




 私は、尋常じゃないほど目を見開いた。
 え? こいつになんも言ってないんだけど……。
 龍夜はまた変な笑みを浮かべると、2階へ去っていった。





 考えられるのは、1つ。
 孝文がさっきメールで、私からメールがきたことを告げた。
 これっきゃない、これしかない。








 なんでもかんでも、龍夜に告げるなや。
 そのときかすかにそうおもった。
 そして、嬉しさとは別に、複雑な思いが頭をぐるぐる回った。