コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 +半実話+ ( No.328 )
- 日時: 2011/11/20 21:27
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
第181話
午前中は、控え室で演奏の最終確認、リハーサルを行える。
そして各自で1階のレストランで昼食を済ませておくとのことだ。
私はと言うと、控え室に持って来たシンセサイザーを置いて、色々いじくっていた。
音を多彩にするためには、同時に色々な音色を奏でたほうがいいとおもい、録音作業をしていた。
これで録音して、必要なときにボタンを押せば、自動的に演奏されるからね。
私はそれにあわせて、シンセサイザーを弾けばいい。
ギターの絵磨、康義、辰雅は音作りを最終確認しながら、演奏。
ちなみにセッティングされてるマイクで、ボーカルやコーラスの練習も行っていた。
ベースの龍夜は、ひたすら弾きまくっていた。
ドラムの孝文はというと、やはりリズムをとって叩きまくってる。
その顔つきは、皆いつもと違い、とても真剣な顔だった。
集中していたのか、時間はいつのまにかすぎていた。
「……げ、もう12時すぎてる! そろそろいこっか」
「行くってどこへ?」
絵磨が、時計を見ながら目を丸くしていた。
辰雅が唖然とした表情で尋ねる。
「昼飯だよ、あー! 腹減った! 龍夜行こうぜ」
「おう、1階の階段ってどっち?」
そんな会話をしながら、孝文と龍夜はもう出て行った。
残された私、絵磨、康義、辰雅も楽器を片付け、電気を消す。
そして、絵磨が確かに鍵をしめ、一緒に1階へ向かった。
*優志目線*
「ぎゃははははは、はは、は……ぬお?」
カフェのパソコンで、おもしろ動画をみながら爆笑していると、ふと時計が視界に入った。
……12時5分。……そろそろ戻ったほうがいいかね。
すると、同時に「ぎゅるるるるる〜」という激しい腹の音が鳴った。
カフェっつっても、ココアしか飲んでないしな。
会館へ戻ってレストランでなんか食うか。
俺はそうおもい、店を後にした。
歩いて10分だが、走るともっと速いとおもう。
くっそー、はらへった!
ここは、もう走っていくぞ!!
近道、そうだ、あそこを通るともっと速くいけるはずだ。
俺が、ダッシュしたその瞬間だった。
足に何かが引っかかったとおもうと、俺の体は自動的に地面へと急降下していった。
そして息つく暇もなく、地面にたたきつけられてしまった。
とたん、手のひらに激痛が走った。
「いってっ!」
俺はそう言い、そして急に恥ずかしくなったが、幸い周りに人気はなかったので一安心した。
俺が起き上がろうとしたその時だった。
「——で、いくよ」
「——じゃない?」
どこからか、密やかな声が聞こえてきた。
……ん? 俺は辺りを見回した。
しかしあたりに人なんて、いないはずだ。
声のする方向は、明らかに狭い路地裏からだった。
……? こんなとこに人なんているのか?
しかしそこは、よくみると会館もあった。
会館と、隣の建物の間に、狭い道があったのだ。
俺は興味本心で、何故だかその道を通ってみた。
壁からそーっと、人物の影をみつけて覗いて見た。
……っ、あ、あれは!?
さっき、会館の前に立っていた女の子たちじゃないか!
なんでこんなところで、集まっているんだ?
俺は疑問に思ったが、なおも身を潜めて話を聞いてみた。
「いい? 俊敏に行動してね、下見の通りだからね」
「わかってるよ、1秒の遅れが危険を招くかもだからね」
「……じゃ、そろそろやる?」
……何の話してんだ? あの子たち。
すると、女の子の鞄から出てきたのは——
ハンマーだった。
……え!?