コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋時計 +半実話+ ( No.334 )
- 日時: 2011/12/12 14:23
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
- 参照: 冬休みまでに、一通り終わらせます!!
第182話
「やめろ!! なにやってんだよ」
俺は気付いたら、その子達の前に現れていた。
俺は、1人ずつを睨みつけながら、おそるおそる近寄る。
すると、まゆゆ似の女の子がきょとんとした顔になった。
だがしかし、すぐに眉間にしわを寄せた。
「あー! だから、もー!!」
「ちょっとあんた、お願いだから見なかったことにして!」
「は? 誰がガラス割ろうとするやつを、見てみぬフリするんだよ!!」
俺はいつのまにか、最大限に叫んでいた。
息が切れる。
数秒の沈黙が流れた後、1人が笑い、また1人が笑い始めた。
「え?」
俺は、我に返ってみんなの顔を見る。
「なんか超変な誤解招いているようだけど、全然違うよ」
「なんかもー、あんたならいっかー! ここにあるものを隠してたの」
あるもの? え? ちょっとまてよ、おい。
俺は急に顔が真っ赤になるのを感じた。
「ドラマとかの見すぎじゃない?」
「え、あ、そ、そうだったのか! で、でもなぜハンマー?」
「ああ、これはね」
まゆゆ似の子が、自分の手に持っているハンマーに目を移した。
「ここに、私達の先輩が残したっていう宝? がはいってるみたいなの。
私達は、この前軽音楽の県大会で優勝したから、その宝をくれるみたいなの。
で、それをもらうには、このハンマーであそこを叩き割らないといけないみたいなんだって」
全部の説明を終えると、俺は一気に脱力した。
「でも、なんでこんなところに? 何が入ってるんだ?」
「それは私達もわからない。昔、私達の先輩が軽音楽コンクールでよくここにきてたからじゃない?」
それから一通り会話を終えて、俺は会場に行くことにした。
今は、どっかの学校のバンドが演奏している。
演奏が終わると、拍手が起こった。
確か、次がCloverの演奏だったはずだ。
休憩時間をはさみ、ようやく辺りが真っ暗になったところで、Cloverの奴等がぞろぞろでてきた。
そして、いきなりきらびやかなライトが当てられたかとおもうと、豪快なドラミングが鳴り響いた。
次の瞬間、激しいロックが会場中に響き渡る。
照明は定期的にキラキラ変わり、見るものを圧倒とさせた。
遠くからみてるせいもあるが、いつもみてるあいつらが、全くの別人かと見間違えるほどだった。
こいつら……公の場で演奏したら、こんな変わるのか。
俺があっけにとられているうち、演奏は終わった。
拍手の嵐につつまれ、Cloverはおじきをして消えた。
結果は、Cloverの銀賞。
10年連続入賞の記録を果たせたようだ。
俺は、そのままなにもいわず、会場を後にした。
あいつらも、かわったな。
そんなことをおもいながら。