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Re:    恋時計  +半実話+ ( No.335 )
日時: 2011/12/12 14:34
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
参照: 冬休みまでに、一通り終わらせます!!






 第183話




 10月に入り、私はテスト勉強の真っ最中だった。




 「メアド消しといてだって」




 それは、勉強の休憩中、リビングでくつろいでたときだった。
 突然、龍夜の微妙なハスキー声が、私にそう告げたのだ。
 私は後ろを振り返り、目を点にした。
 龍夜はなおもポーカーフェイスで、私を見下す。




 「は?」
 「だーから! 孝文が『メアド消しといてくださーい』だってよ」






 少し強気になる龍夜の発言が、私の頭の中を駆け回った。
 消しといてください……メアドを、消しといてください、メアドを。
 私は、あっけにとられながら、一点を見つめていた。




 「ふん、赤くなってるしー、あはははは!!」



 龍夜はいつものからかいの憎たらしい表情を私に向ける。
 赤くなんてなってねーよ、どっちかっつーと青いよ。
 私は無言で、龍夜をにらみつけると、自分の部屋に戻った。
 そして、机に向かい、教材をひろげる。




 待って……考えてみよう。なんで急に孝文がそういったのか。
 確かにあれから、ずーっと孝文とメールはしてない。
 だったら、メールしないならアドレスいらないから、どうせなら消しとけってこと?
 いや、あいつに彼女もしくは好きな子ができたから、他の女子のアドレスは邪魔だとか?



 どっちでもいい。孝文が私とメールしたくないという事実は、たしかなものなのだ。







 なんで? なんで急に?
 どうせいやなら、あの日メールしたときに言ってくれればいいのに。
 なんで? なんで今更そんなこというの?
 私、この1ヵ月、孝文のメール文を考えたり、色々試行錯誤してて、迷ってたんだよ?
 




 「……ふ」






 私は薄笑いを浮かべると、急に胸の奥が痛んだ。
 ……このまま部屋で1人でいると、泣くかもしれない。
 私は勉強道具をもって、1階に降りた。
 家族がいるなら、まだ勉強できる。





 私は、少々うるさいリビングで、シャーペンを走らせた。
 ……えーっと、メンデルの法則は……——
 ……だめだ。
 勉強しようと思っても、どうしても孝文を考えてしまう。





 孝文は、私のことが嫌いなのかな?
 そりゃ、自分が教えてないのに、急にメールきたらビビるけど。
 それなら直接そういってほしかった。
 わざわざ、龍夜の口を借りないで直接。




 もー、意味わかんな。
 私は勉強をやめて、とっさにパソコンに向かった。