コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 小説って良いな…… ( No.2 )
日時: 2011/05/25 20:34
名前: 風(元:秋空  ◆jU80AwU6/. (ID: .cKA7lxF)
参照: 仁都様へ 覚えていてくれて有難う!

   <条の内慎介視点>

 ねぇ,小説って良いと思わへんか? 俺は,大好きや……何でって?
 それを今から話すんねん! 楽しみにしててや!
 あれは,もう八年前になるやろうか……若かったぁ。 何せ,まだ,高校生やったからなぁ?


〈小説って良いなァ……春色プロローグ 一頁目〉 

 平成二十二年四月十二日。 俺の学校,私立紅薔薇高校の始業式の日や。
 お前誰かて? 俺の名前は,条の内慎介や! 結構なイケメンで女にもモテモテや!
 そんな俺が,今,滅茶苦茶嵌ってるのが小説って奴や。 
 もう,嵌り過ぎて部活まで造ってもうた位やで?
 始めの時は,部員も五人で部活としてはギリギリやったものや……あの時が懐かしい俺は,もう,今年で高校三年! 時間が経つって速いなぁ? 充実してるとホンマに…… 
 んで俺が,小説が好きになったのは,何でやろうな……文章で,人に何かを伝えるってのが凄いって思ったから? すっげぇ下らない理由やとか思ってるやろ? 
 理由なんてのは単純なほど強いもんやと思うで俺は?
 ちなみに,俺は,最近,小説を書くのを少し休憩して後輩から進められたゲームやっとる所や? 
 正確には,嵌りすぎて後輩の敏一君から借りたゲームは四日で終らしたんや!
 んで,そのゲームさ。 
 全部で,六まで出とるんけど春休みのうちに全作,クリアする覚悟を決めたんや! 
 何!? 小説好きやないのかって!? 
 そんな事言われてもゲームも大好きやからしゃぁーないやん!
 って言うか,好きなもんを長く持続させるには,もう一つ位軽い趣味を造っとくのが良いんねん!
 行き詰った時や息抜きしたい時の対策やな? 何? 言い訳がましいって!?
 ん…………おおぉぉぉおおおおおおおお! 来たあぁぁぁぁぁぁぁ! 
 
「陽炎(六)クリアアァァァァ! 俺,天才! 夜更かしは実を結んだぜ条の内慎介!」

 あぁ……マジでクリアしたで! 魔王倒したあぁぁ! やっべぇマジ嬉しい!
 はっははは,朝……いや,八時? 俺の戦いは,ホンマのギリギリやったんやな!
 何て条の内マジックや! 最高やん!? 昨日から三十時間遣り続けたお陰や!
 感慨深いものや。 六までは漕ぎ付いたが歴代最高難易度のコイツには苦労したもんや!
 まさか,クリアできるたぁ……俺,天才!

「お兄ちゃ〜ん! いい加減にしないと学校,間に合わないよぉ?」
「何やねん!? それが,さっきまで世界を救うために戦ってた男に言う言葉かいな!?」

 その時や。 俺が,勝利の余韻に浸っていた所や。
 イヤホンから流れるエンディングBGMをぶち壊す様に声が降り注ぐ!
 良く知っとる声や……俺の妹,条の内五木。 今年で,中三になるマセガキや!
 中三の癖して三人目の恋人と交際中の超マセガキ!
 俺なんて,モテモテやけど真面目にお付き合いとかしたの一回もあらへんぞ!
 女は役得やな……
 勝利の余韻をぶっ壊された俺は,妹に向かって怒鳴った! 
 それに対して,妹は「ゲームの中ででしょ?」としれっと言いおった。
 確かに,その通りで反論も出来へんし事実,部屋の時計を見れば八時十分とギリギリや……
 ちなみに,学校には八時半までには入らんと遅刻扱いになる。 
 俺の家は,学校の比較的近くで走れば十分位で着くんやけどな? 
 学校へ行く用意と宿題は済ませたから,制服着て……何とか間に合うな……
 飯? 飯は間に合わへんから後や! 高校で焼きソバパンでも買えばえぇ!

「お兄ちゃん! 階段,ボロいんだからそんな,勢い良く降りないでよ!」
「やかましい! お前もはよせんと……」

 速くせんとヤバイ……脳内に,そんな警鐘が鳴っている俺は,自然階段をドタドタと音を立てながら降りる。 そんな俺に対し,五木は,最もな意見を言う。
 ほんまに内の,階段はボロい。 まぁ,築三十年近くの家やからな……周りと比べても相当古い!
 しかし,一つ,俺には疑問が湧いた。 何で,妹はこの時間に居るんやろう……さては,サボりか? そう,妹に問うと五木は,俺の脛を蹴り飛ばして言う。

「あたしの中学校は,明後日まで休みです!」

 高校より春休み長いって,どんな中学やねん……俺は,愚痴を言いながら玄関口を開けて外に出た。
 外を出るとヒュ〜っと,爽やかな風が吹く。 
 風の吹きぬけた方向を思わず見ると,綺麗な桜並木が,並んどった。
 あぁ……俺の,最後の高校生活が始まるんや……希望と不安が,俺の胸を駆け抜けた————


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