コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 小説って良いなぁ…… 第一話 五頁目執筆中 ( No.40 )
- 日時: 2011/06/15 22:04
- 名前: 風(元:秋空 ◆jU80AwU6/. (ID: .cKA7lxF)
<小説って良いなァ…… 新入生入学 五頁目>
<十六夜日向視点>
「あの……手、握っていらっしゃる?」
「えっ? あっあぁ、純星と寝る時は何時も手を握って寝るよ? えっと、怖いから……逃げて居なくなっちゃうのが……」
夜、二時過ぎあたし達は、明日が……既に明日なんだけど。
今日の学校のために睡眠を取らないと行けないため布団を敷いて眠る事となった。
お風呂に入る時間なんてない。 だって、二時だよ? 昼の二時じゃなくて夜中の!
お風呂なんて入る余裕ないって……仕方ないって! ねぇ、黒凪……ちゃ……ん!?
えっ、何、この子、手絡めてるの? うわっ、指ホッソっ……柔らかい。 って言うかお顔近いよ!
あたしは、思わず彼女の手を強く振り払った。 すると、眠りかけていたのか彼女が緩慢な動作で起上ってくる。
そして、目を擦りながら何気に暴露発言なことを彼女は、カミングアウトしてくれた。
それは、詰り、純星とこの部屋の中で何回も布団を隣り合わせにして寝た事が有るということですよね!?
あたしは、ほんっとに凄い勢いで目を見開いた。 何だか、エロいって言うか凄いことを想像しちゃって頬が熱くなる。 鼓動の速度が高まる……えっ!? 彼女は彼とは、其処までの関係なの? 嘘、そんなにあたしと彼女では差が……
脳がショートしてプスプスと音がしそうな程にあたしは、その一つのことに集中して数秒間、呆然としていた。
「あいつは、逃げていなくなったりしないよ。 何て言うか、ほら……純情真正面一途馬鹿! って、感じじゃない?」
そして、目を潤ませる彼女が、見るに痛々しくて弁明と言うか違う……慰めの言葉を口にする。
「そうだね。 将来を誓った仲だしそう簡単にね?」
「ホワット……将来? えっと、お二人は何処まで?」
安堵したような表情で黒凪さんは、またもやあたしには早い様な……そんな、何ていうか嫉妬を通り越して羨望の念を感じそうな事を言ってきた。 将来を誓った……思い出すんだ。 条の内先輩とお飯事した頃の記憶。
だからかな? とても認められなくて……なんで? 何で、あの人とあたしは、同級生じゃなかったんだろう?
あたし、あの人が一歳年上なだけで遠慮してる……情け無いだけ? 私が?
あたしは、気になった事を単純に質問した後、心の中の闇が増長したのを感じた気がした。 羨望……違う、嫉妬だ……
あたしの質問に当然のように彼女は、Sから始まることをしていることを吐露した。
あたしが遅れ過ぎているのか、彼女が速いのか。 分らない。 でも、正直、高校生の間に経験しておいた方が良いのだろうか?
分らないけど……そう思えた。 あたしは、こんなだから……
「…………君も速く条の内先輩にアタックしたら? 条の内先輩、本当は、君に告白して貰いたんだよ……
大きな体験は、大きなインスピレーションになる。 貴女の世界に新たな旋風を巻き起こしてくれる。
そして、あなたの心に潤いを貴女の成長の後押しをしてくれる。 十六夜っちと先輩お似合いだと思うけどにゃぁ?」
そんな戸惑うあたしに、彼女は、聖母の様な優しげな笑みを見せ言葉を続ける。
その言葉は、悪意など欠片も感じられず唯、仲間としてあたしを慮っていた。 激励していた。
優しく思いやりがありあたしの未来を考えるような物言い……敵わないって思った。
時が、とても遅く流れているように感じる。
カーテンから漏れる月の光が、あたしと彼女を幻想的に映す。
彼女の顔が、あたしの未来を祝福しているように見えて……あたしの中に、今までに無かった勇気が生まれた気がした。 告白する……あの人に告白するという勇気が——
「ありがとう」
「どういたしまして! お休み」
あたしは、無意識に彼女に礼を言った。
すると、彼女は、安心したような表情を造り小さく頷き眠りに着いた。 あたしも好い加減寝ないといけないから、布団を被る。
チュンチュンと、小鳥の鳴き声が聞こえる。 そして、朝の光が、黒凪ちゃんの部屋に差し込む。
何時だろう。 彼女の家は、確か結構、遠いから速く起きないと学校に間に合わない。
平成二十二日四月十三日、学校二日目の朝が来たのは間違いない。 あたしは、緩慢な動作で起上り時計に目を遣る。
六時五十八分、食事を取って着替えて直ぐに出ないと間に合わない時間帯だ。 早く、黒凪ちゃんを起さないと!
そう、思ってあたしは、彼女のほうに目を見やる。 しかし、彼女は忽然と姿を消していた。 それどころか布団も無い!
「えっ! ヤバイ! 黒凪ちゃんが誘拐!?」
「何、馬鹿な事言ってんだ……遅ぇんだよ? 馬鹿野郎、さっさと飯食って服着て学校行く準備しやがれ!」
あたしは、素でそう、思った。 だって、あんな可愛くてちっさい言い娘、そうそう、居ないもの!
布団ごとグルグルまきにして無理矢理連れてかれてとか、一瞬本気で思って慌てふためく。
そんなあたしに、女の子の部屋に無礼にもノックもせずに入ってきた純星が罵倒を浴びせる。
あたしは、膨れっ面でノック位しなさいよと言うが、奴は、お前相手にする必要が有るかどうか迷ったとか抜かしてきた。
ムカついたので蹴っ飛ばしてやった。 純星の奴は、馬鹿みたいな奇声を上げて怒り出す。
「純星ー? 近所迷惑だよ?」
「すいません」
将来を約束してたんでしたっけ? あはは、絶対尻に敷かれるな……ザマァ!
あたしは、黒凪ちゃんに諌められる馬鹿を見て心底、そう思った。
そんな事を考えていると黒凪ちゃんがあたしを睨んで速く下に降りてご飯食べなと命令口調で言った。
あぁ、時間無いんだったと思い出しあたしは、下の階へとおり食事を取った。
食事を取って休む間もなく制服に着替えあたし達は駅へと急いだ。 ちなみに、電車賃は、馬鹿男が払ってくれた。
電車の中でも単語の勉強などを移動時間を無駄にしないために行う。
何人か、って言うか、結構な数の同じ学校の生徒が居て皆、真面目に参考書を見たりしていた。
当然だ。 今日は、テスト当日なのだ。 ギリギリまで勉強をしたいと思うのは理だ。
彼女のサポートも有り時間を無駄にせず真面目な勉強を出来たあたし達だったが、結局成績は凄惨な物だった。 終ったあぁぁ! 盛大な溜息が漏れる。 半日でテストを終らせて半日で結果が出るとか、もう少し覚悟する時間を下さいよ学校様って感じ!
実力テストは、あたしは、三組では下から五番で彼は、下から三番……恐らく、彼女のレッスンを受けてなければワンツーフィニッシュだったんだろうなとか嘆息しながら思う事となった。 それを証拠に、英語と数学の点数が、今まで見たこと無いくらい良かった。 こうして、実力テストは幕を閉じた——
⇒六頁目
〜作者の一言〜
途中、凄く省いてますがお許し(涙