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Re: 透明度五十パーセントの非日常。 ( No.15 )
日時: 2011/06/10 17:58
名前: 風琳 碧羅 ◆bimZ8KrNKc (ID: 2RWcUGdy)
参照: フラグが奇妙すぎるww

七 普通に立った奇妙なフラグ

 次の朝起きると、何故か兄も姉も大人しく、とりあえず朝食を作ると、ただ「ありがとう」とだけ言って食べていた。昨日俺が寝た後に何かあったのか、と不安になりつつもとりあえず俺は学校へ行く支度をして「いってきます」と玄関で叫んだ。返って来たのは兄の「いってらっしゃい」という弱弱しい声だけだった。
 今日は雨か。
 呑気にそんな事を考えながら、家を後にした。

 学校につくと、のんびりとHRまで時間を潰すのが恒例だ。だが、今日は違った。
 朝から何故か男友達に囲まれ、そして何故か全然知らない女子たちにも囲まれていた。いうなればその時教室に居た全員だ。

「あーゆーむー。まっさか男子クラス委員長が、なぁ?」
「委員長がまさか……羨ましい限りだぜ」
「歩君、可愛いもんねー」
「うちも結構歩君好きやで」

 口々に好き勝手な事を言い始める同級生達。全く意味が分からない。何が言いたいんだ、お前等は。というか俺が休んでいた間に何があった。
 ちなみに今更だが男子委員長と言うのは俺の事だ。吃驚だろ。なんか他の男子よりモテると言う意味不明すぎる理由で推薦された。
 俺からすると途轍もなく迷惑な話だ。だって……なぁ。俺がモテているかどうかも不明なうえ、もしそうだったとしても、その理由が……女の子みたいで可愛いから、というのは俺の心がズタボロになるって気がつかないのか、皆。というか気付いて欲しかったな、なんて。

「で、何の用だ、皆して」

 とりあえず聞くだけ聞いてみる。まぁ、いつも用がなくても集まってくる連中だが今日はちょっと様子がおかしいしな。
 その時、教室の空気が一変した。

「……ッ!」

 その原因となったように見える彼女は、やはり俺を見ていた。もしかしなくても原因は俺だろう。俺の周りに群がっていたクラスメイト達が一気に離れて行く。

 教室の入り口に、彼女が立っていた。頬を赤らめて、綺麗な瞳を少し濡らせて、そして——

「——ごめんなさい……っ」

 そうだけ言い残して彼女は走り去ってしまった。微かに甘い香りがその場に残る。黒髪が靡いて行くのを見て、俺は思わず叫んでいた。「御園さん!」
 それにも反応せずに彼女はただ「ごめんなさい」と何度も呟いて、走り去ってしまった。それを追いかけようとすると、今まで離れていたクラスメイトが俺を行かせまいとして取り囲んだ。

「放せっ! どういう事なんだ! 何故御園さんは泣いていたんだ! 説明しろよっ!」
「歩、落ち付け。今から全部話す。昨日——お前が休んでいた間に何があったのか全て」

 仲の言い男友達にそう言い包められて、俺はその場にへたり込んだ。

「実はな——」