コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 透明度五十パーセントの非日常。 ( No.16 )
- 日時: 2011/06/15 15:50
- 名前: 風琳 碧羅 ◆bimZ8KrNKc (ID: 2RWcUGdy)
- 参照: ……自分で言うのもなんだが、こいつら絶対頭オカシイ(
八 まだまだ続く奇妙なフラグ
「……はぁ?」
俺は途轍もなく苛立っていた。
クラスメイトから話された内容を整理してみると、こうなる。
・俺が休んだ事を担任が話した。ちなみに俺は担任に「家庭の事情」としか告げていない。
・そして何故か俺が引越しすると確定された。この原因が、御園さんの発言「道明寺さんは転校するのですか?」と。何故そうなるのか超疑問。
・その為、御園さんが直々に俺の家にやって来て、俺の事を確認。
・しかし今日の朝俺が来た為、それは間違いだと言う事に気が付いた。
「……ちょっと待て。それだったら何故御園さんが謝る? というか明らかにそれはおかしいだろう、流れ的に」
俺が話を聞いてそう言うと、クラスメイト達は皆一様に顔を見合わせて困った顔をした。暫くその状態が続き、それに耐えられなくなったのか、別の男友達が手を合わせて「ごめん!」と俺に頭を下げた。全く今日は何なんだ。全く訳が分からん。
「実はな、俺等、御園さんに頼まれて——」
「ごめんなさいっ! ごめんなさい、ごめんなさいっ! わたくしが話しますっ!」
そう言って、話を遮ったのはやはり彼女、御園さんだった。
何かと思い、全員が彼女に注目する。
注目を一様に集めた彼女は、少し頬を赤らめながら、ゆっくりと俯いていた顔を上げた。
「……あ、え……と……。歩、君……」
彼女がぎこちない足取りで俺によって来る。俺はどうしたものかと普通に彼女を見つめていた。
次の瞬間、までは。
「……ッ!?」
彼女は急に俺の方へと走り出したかと思うと、俺に抱きついてきた。俺は何が何だか分からず、そのまま立ちすくんでいた。
呆然と彼女を見ていると、彼女と目が合った。瞳は未だに濡れていた。
「あゆ……む…………君………………」
そう呟いたかと思うと、彼女はそのまま倒れ込んだ。その時彼女の頬が腕に当たって熱を感じた。
「ちょ……。御園さん、熱があるんじゃ……」
「あゆむ……くん……。離れちゃ嫌です…………」
凄い熱があると言うのに、彼女は俺の服を放さずに、終いにはそのまま倒れ込んだ。彼女の体重を支えきれずに俺も倒れ込んだ。
「歩! 保健室だ!」
誰かが叫んでいるのが遠く感じた。