コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 兄弟の絆。 ( No.2 )
- 日時: 2011/05/23 18:09
- 名前: 風琳 碧羅 ◆bimZ8KrNKc (ID: 2RWcUGdy)
一 未確認生命物体
嗚呼、何故俺はこんなにも間抜け面をしているんだろうな。
ていうか、目の前に居るのは何なんだろうな。誰か教えてくれよ。
俺の目の前に居たのは、物凄くカラフルでど派手な色の半魚人らしきものだった。人ではないだろう。
「やあ、見知らぬ人」
……聞いたか? そもそも何だ、見知らぬ人って。やあ、ってそんなタメ口でいいのかよ、俺は気にしないけどさ。ていうか、こいつ日本語喋れるのか。なんなんだよ、半魚人みたいな物体。
「ぼくは半魚人みたいな物体じゃなくて、半魚人ぴょ」
なんか認めやがった。そもそも何故俺の心を読めたんだ、お前。
「口に出して言ってたぴょ?」
あーそうか。どうでもいいが、俺に何の用だ。俺はこれから別に用事がある訳でもないが忙しいと感じたいから家に帰りたいんだ、ほらもう四時だし。下校時刻過ぎてるし。
「下校時刻過ぎてるからここにいるんだぴょ? それに、別に用事が無いって事は暇だって事ぴょ?」
そもそも、語尾の『ぴょ』ってなんなんだよ。気持ち悪いぞ、半魚人。確かに暇だが、俺はお前みたいな未確認生命物体と戯れたい訳じゃないんだ。あばよ。
「……本当はこの惑星から三十一万光年離れた惑星で新しい生活を始めるはずだったのに、ちょっと失敗してこんな辺境惑星に墜落して、しょうがないから宿に泊めてもらおうと思ったら追い出されて、仕方なく彷徨っていたら暇そうな変人がいたから声をかけて泊めてもらおうと思ってただけだったぴょ……」
ちょっと待て。突っ込みどころが多すぎる。しかもなんだ。その暇そうな変人と言うのは俺の事か。……なんだその「他に誰が居るんだ」みたいな視線は。
「要するに家に泊めて欲しいんだぴょ……」
始めっからそう言え馬鹿半魚人。お前が日本語喋るなんぞ一億年早い。
「じゃあどうやって意志疎通を図るぴょ?」
うるせぇばーか。
「じゃ、家まで案内するんだぴょ。しないのなら——」
しないのなら?
「——ぼくと一緒に寝てくれだぴょ」
誰がお前みたいな変態半魚人と一緒に寝るか、馬鹿野郎。お前と一緒に寝るってあれだろ? お前が寝ぼけて俺の事を食っちまったってオチだろ? そんなアホらしい人生の終わり方なんて御免だな、嗚呼、絶対に嫌だ。
「じゃあ決定だぴょ」
……嗚呼、これで俺の憂鬱な日常が決まったようだ。多分あれだよな。人生までコイツに狂わされるんだよな。
そうして、自称他称共に半魚人は、俺と共に生活する事になった。