PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: __青空プラネタリウム ( No.16 )
- 日時: 2011/06/15 20:24
- 名前: 圭 (ID: jd/Z3uOx)
**青春3ページ目『君と言の葉』**
一目惚れをして、早くも一週間がたった。
授業中、先生の目を盗んではチラリと彼に気づかれないように振りかえる。
そうすると、彼は私の視線に気づきふわりと微笑む。
なんだか、私の心の内を読まれているような気がして、前を向き
ちょっと期待して、また後ろを振り返る。
やっぱり君は、私のほうを見てふわりと微笑む。
———…これが、私と彼の一日一回限定の関わりなのだ。
放課後、いつもは日和と一緒に帰っているが、なんか委員会とかで先に帰っててと言われた。
そのため、現在一人さみしく下校中——。
「「あ、」」
前から歩いてきたのは、想い人のサナダ タカト。
向こうも気づいたようで同じ声を発した。
…ど、どうしようか、気付いたのはいいものの何せ入学以来
目を合わせるだけで、会話というものをしたことがない。
「えっと…水原さん、だよね」
「う、ん」
初めて喋った。
この二言を言うだけでも、やっとのことだ。
「真田君…?」
さっきからずっと黙ったままのサナダ タカトを不審に思い
勇気を振り絞って、君の名前を呼ぶ。
「え、あ、いや…それじゃ」
「うん、じゃあね」
ちょっとどもりながらも交わしたあいさつには、
いつもの君の微笑みがあった。
口から紡ぎだされたほんのちょっとの言の葉は、
————…私の心に深く、深く 墜ちて行った。
PR