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Re: __青空プラネタリウム ( No.19 )
日時: 2011/07/13 19:58
名前: 圭 (ID: njcqYR8N)

**青春5ページ目『君と秘密事』**

「水原さん」
「な、に?」

彼の横顔に見惚れていて、少し声が裏返った。

屋上に呼び出されて少し時間が経った
さっきは何ともなかったけど


今はこの沈黙から逃げ出したい気持ちでいっぱいだった
そんなときに名前を呼ばれ、心臓が小さく跳ねる。


「ちょっと、水原さんにこの景色を見せたくて」

少し顔を赤くさせて、はにかみながら彼は言う。


「水原さん、よく空を見ていたから」



確かに、私は空が好き。

流れて行く雲、きらりと光る太陽に反射する朝露。
いつも、絶対に違う顔が見れるから、好きだ


でも、そこまでずっと見ていたことはない。
ちらっと見るだけだった

まさか、彼に気づかれるとは思っていなかった。


「内緒ね」

そっと、私に耳打ちした彼の言葉に首を縦に振る


「二人だけの秘密の場所だね」


そうだね。
彼はうなずいて、また笑う。


私もつられてクスリと笑う。




————…屋上に二輪の花が咲いたように笑う。