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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: スカイガールズ ( No.1 )
- 日時: 2011/06/04 18:28
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
*prologe
時々、何かしたくてたまらなくなる。
あたしの中の「やる気」の渦がぐるぐる渦巻いて、泡をぼこぼこと立てて、抑えられなくなる。
何か、あたしが熱中できるもの……。
いつもと変わらない穏やかな街の風があたしの頬をさらりとなぜる。道の脇に堂々と立つ緑色の葉っぱをつけた巨人も、すこし遠くに見える大通りを猛スピードで走り抜けていく色とりどりの小人も、すべてがあたしの為に動いているようで。
蒼く澄んだ真昼の街から自分の部屋に目を戻すと、薄汚れて汚い感じがした。それでも、机の上にあるあたしの為の栄光は逃げない。
「『今年最高のガールズバンド、〝ブルードロップ〟が最優秀新人バンドを獲得』……ねぇ」
声に出して読んでみても、あたしの中のむずむずした気持ちが抑えられるわけはない。
「まるであたしに叩きつけられた挑戦状みたいじゃない」
クスっとわらって、机の上にちょこんと乗っかっている水色のギラギラとデコられたノートパソコンを閉じると、窓からの風がカーテンを押し上げた。
あたしは椅子をたってカーテンをくぐった。
「ガールズバンド、やってみようじゃないの!!!」
あたしの決意の叫び声が町中に響き渡るように、大声で叫んだ。
あたしのためのこの街の住人が、あたしに返事を返してくれたようなきがした。
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