コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金曜日(ほとんど)に出る三題話!みんなで書くページ! ( No.16 )
- 日時: 2011/06/28 22:44
- 名前: 北野(仮名) (ID: uel54i.x)
「お前たちがなんで俺の所に来たか分かるか?」
誠二は残っている一人の女に問いかけた。
「映写機に映ったからよ、地図が!そこに宝具があるって!だから、だから私た……」
「まだそれが罠だと分かってないのか?」
「え…?」
恐怖に染まった顔に僅かばかりの疑念が浮かぶ。微かな絶望と共に…
「どの宝具であろうと所有者の手元を離れたら俺まで案内するようになってる。裁くために、な」
「そんな…」
「一応宝具を二つ持ってる俺は“こちら側のセカイ”では最強なんだ。この載ってる言葉が実物として出てくる辞書とボタンを押したら…」
女は咄嗟に懐に手を突っ込んだ。そして、ナイフを取り出した。そのまま、誠二の元へと一直線に突き進んでくる。短い刄が誠二に牙を向こうとしたそのとき、
ピッ
誠二の姿は女の視界から消えた。標的を見失ったナイフはそのまま空気を素通りした。バランスを崩したその女は無様にもそこに倒れこんだ。
「なんで?」
「これが腕時計の力だ」
ボタンを押したら時間を止める。ドラえもんのタンマウオッチと全く同じ。
「貴様らの敗因はその傲りだと知れ」
罪状を言い渡す、そう続けた誠二に女はぶちギレた。
「私たちはちゃんと計画を練って、考えて考えてこれを実行している。高校生相手にも全力を注いだ!これのどこが傲りだ!」
「この世の理も知らずに宝具を振り回す、それがすでに傲りだと言っているんだ」
———判決を言い渡す
「この世の理の第一条に基づき、この者ら三人を闇中禁固の刑とする。期間は五年!」
ブラックホールのような闇が三人を包み込んだ。
「闇の檻に捕われて、更正しな」
「嫌だ、嫌だ!」
「安心しろ。そこに苦痛は無い。ただ暗きが広がるだけだよ」
そうして、門は閉じた。
これは、ある学校で起きた、超常の事件。この日を境にこの手の事件が次々と来訪してくることになるのだった。