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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 好きになったら・・・ ( No.109 )
- 日時: 2011/11/07 18:16
- 名前: いちご ◆cBsnu.Uy4o (ID: 0vH/svqy)
- 参照: http://番外編も書きたい。
8
「あ、それ冷やしといてー」
「まな板も洗わなきゃっ」
「そっちは何作んのー?」
「ああー、パスタ」
ガチャ、ガチャ・・・
調理室はにぎわう声と金属のガチャガチャした音で溢れている。
ついに来た!
この日が来たんだ!
「佳子さーん」
「はいー?」
「皿、洗ってていい?」
「うん、有難う、宜しく!」
声と金属音に、更に水の流れる音も加わる。
「良いとこ見せなよ、佳子!」
「あー、はいはい」
莉子に適当な返事をする。
「ちょっと、ふきん取ってくる!」
わたしはその場を一旦去った。
「今日くらい・・・未希ちゃんよりたくさん話さなきゃ」
小さくつぶやいて、ふきんを手に取ると、急いでまた調理室へ向かった。
*******
「無いよ」
「え」
「包丁で頑張って」
「え、あ、はあ」
私は先生と会話している。
「無い」と言われたのは、ピューラー。
「にんじんの皮を・・・包丁・・・?」
「やだ、莉子、簡単でしょ?ほら」
すっと皮・・・・と言うより「にんじん」をむく莉子。
「ぷっ・・・それ身も削れてんじゃーん!もったいないー」
「仕方ないでしょ!これしか方法は無い」
「あっははは」
それから班3人で、頑張って3品の料理を作った。
「美味しかったー」
「ねー」
***********
「片付けしよ、片付け!」
流しに洗いものがたまる。
「あー、じゃ、俺が洗うから、佳子さんは流し、莉子さんは拭く。おっけ?」
「おっけー」
それから数分洗い続けて・・・
「それ、流していい?」
「あー、うん」
桐原君は私に泡のついたお皿を渡す。
私はそれを両手で受け取ると-----。
・・・あ。
いまちょっと指が触れた。
そんな事に意識してるのは、私だけ。
前にもこんなことあったけど。
「なっ、・・・流す」
「よろしく」
微笑む君を見て、涙が出そうになった。
ひどいよ。
私の気持ちも知らずに。
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