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１０

私は自分が嫌い。

大嫌い。

桐原君の事好きな自分が嫌い。
未希ちゃんを憎く思う自分が嫌い。
嫉妬なんてそんな・・・
私から話しかければ良いじゃん。
それで良いじゃん？

・・・そう思ってるのに。
なんだか、そんなこと出来ない。
どうして--------?

「もう・・・どうでもいいから勝手に幸せになれ！」
呟いてはみるけど、やっぱり本心でそんな事思うなんてできなかった。

あの日の疑問に、答えが出た。

なんで、莉子と桐原君が付き合ったって分かった瞬間はなにも思わなかったのか？
簡単だった。
莉子の事、大切な友達だからだよ。

だって、だって-----------、
今、未希ちゃんが桐原君と付き合うなんて、絶対いやだから。

それって、未希ちゃんがずるいからだよね------?
でもね。知ってしまったの。

もっとずるいのは私だって。
友達使って、告白されたか聞きだすなんて。
そんなの、ズルすぎるよ-----------。

「佳子！」
「わ・・・紗和」
「嬉しいニュースですっ」
「・・・は、い？」
「呼び出されてないって！」
「・・・ほっ、本当・・・！？」
「まじまじ！良かったねー！佳子！」

良かった・・・
本当に良かった・・・！

恋って怖いね。
その人の性格まで変えてしまうから。
でももっと怖いのは、
相手の気持ちを知る事なんだって、この時思ったの--------。