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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 好きになったら・・・ ( No.15 )
- 日時: 2011/07/23 15:55
- 名前: いちご ◆cBsnu.Uy4o (ID: 0vH/svqy)
3
「やったあ!」
明るい紗和の声が響く。
「何が?」
「何がじゃないよ、席替えだよ、席替え!」
6週間に1度のこのクラスの席替えを、楽しみにしていない人はいない。
私は桐原君と離れてしまうのは少し寂しいけど、忘れてしまうきっかけになるかと期待していた。
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「よっと」
机を動かして、ゆっくり座ると、6週間の運命を見まわした。
ガタン。
隣の人が座る音。
その人は紛れもなく--------
桐原君だった。
「また一緒、だね」
複雑な気持ちだと、その時私は自分に嘘をついた。
複雑なんかじゃなかったのに。
本当は、嬉しくて、たまらなかったのに。
忘れるなんてできないよ。
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「佳子、なんも仕組んでないよねー?」
あやしい顔で莉子がこっちを見てくる。
「仕組んでるわけ無いでしょ?先に紙を引いたのは私なんだから」
「でも、また隣なんて、いいなぁ」
莉子が羨ましそうに見てくる。
でも私は「代わってやろうか?」なんて言わないよ?
桐原君を、好きだから。
明日から学校がまた楽しみになってニヤける私。
でも私は知らなかった。
この後の、苦しみを-----
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