コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 好きになったら・・・ ( No.85 )
日時: 2011/10/31 21:17
名前: いちご ◆cBsnu.Uy4o (ID: 0vH/svqy)



最近自分が欲張りになっている気がする。
人間は欲を叶えると、次の欲が出るものだ、と言う。
私は今、まさにそれ。

「良かったねー、佳子」
「何がー?」
「家庭科の授業あるんじゃん、ファイトッ」
「あー、うん」
家庭科=遊び。
まあ今は調理実習の計画だから、終わった班から自由に話せる。
私達の班は、あと少しで終わる、と言う状況。

「ピザとスープ、パフェの3つね?パフェって材料何が要るっけ?」
莉子は紙にまとめながら淡々と語る。
「アイスと生クリーム、チョコソースと・・・シスコーン!」
私が達成感を交えつつ言う。
「シスコーンって何だっけ?」
桐原君が疑問を問う。
「アメリカの人が朝食に食べるアレ」
答える私。

数人の会話さえも楽しかった。
-------------楽しいのに。
なんでいつも私の時間は消し去られていくんだろう。
20分ぐらい書きながら話しただろうか。
そんな時だった。

「あはははっ!」
桐原君の背後にある影。
未希ちゃん。
その「影」は、私の顔をも曇らせる。
さりげなく私達の机に座る。
他にも私達と話してる他班の子はいるから、未希ちゃんだけ追い出すわけにも・・・いかない。
「み、未希ちゃん達の班はもう終わったの?」
「うん、終わったよ」
正直、内心はだからと言って来ないでほしい、が本心だった。
桐原君の笑顔。
家庭科の授業と、友達にだけ見せてくれるかと思ってたその笑顔。
一人占めしたくなる笑顔。
なのに、その笑顔は、家庭科が終わって、教室に戻った時も-----。


未希ちゃんに見せていた。
私は悟った。
この時悟ってしまった。
桐原君に一番近い女の子。
-----------きっと、それは未希ちゃんだ。