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Re: 好きになったら・・・ ( No.9 )
日時: 2011/06/29 20:45
名前: いちご ◆cBsnu.Uy4o (ID: 0vH/svqy)



次の日の朝。

「おっはよー秀也」
「桐原はよーっ」
クラスの男女様々な人たちが、桐原君にあいさつした。

「あ、髪切ったんだ」
「おはよう」を言い忘れ、先に出た言葉がこれだった。

「失恋した?」
「いや、部活の都合ですよ」
「ああ、顧問、厳しいからね」
「俺達の担任ですけどね」
笑いあってそんな会話を続けていた。

この時、桐原君が「失恋した」って言ったら、私はどんな気持だったんだろう。
「好き」なんて思ってなかったから、きっと何とも思わなかったんだろう。



———————————————

給食時間は、先生の机を持っている桐原君に、「どこの席に運ぶ?」と聞いて、
「あ、あっちの席です」
「ん、じゃあ椅子持っていくね」
「ありがとうございます!!」
軽く礼をした桐原君に笑いかけた後、幸せでいっぱいの気持ちになった。


でも、このあと私に降り注ぐ不幸は・・・止まなかった。


プール掃除をしている時だった。
「ねえ、莉子はちゃんと瀬尾君と話してる?」
「・・・瀬尾君もうやだ、嫌い!」
「何で?」
「・・・だって他の子とばっか話してるし!告白の返事ないし・・・」
「好きな人居るの?」
「・・・紗和には話したけど、ばらさないでね」
「うん、」
莉子がそっと耳打ちする。



そのあと、私がどんな顔で掃除していたかは・・・知らない。
ただ、莉子が言った台詞が頭の中で響くだけだった。

・・・まさか。










桐原君だったなんて。