PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 好きになったら・・・ ( No.96 )
- 日時: 2011/11/03 19:49
- 名前: いちご ◆cBsnu.Uy4o (ID: 0vH/svqy)
5
「ヤバいよ、佳子!」
次の日、莉子は私のところに息を切らしてやってきた。
「どうしたの?」
「佳子…ほんとにやばい・・・はあ・・」
「何があったの?」
「昨日、帰ってたら・・・」
「うん」
「桐原君と、未希ちゃんが二人でいるところ、見て・・・学校近くの、公衆電話で・・・はあ・・」
時が止まった気がした。
桐原君がいつも未希ちゃんに向けている笑顔を思い出す。
涙腺を強く押されたかのように、目に涙がたまる。
「近くのコンビニの、公衆電話で・・・桐原君いつも電話してるでしょ・・・・?
そこに、未希ちゃんついていって・・・多分未希ちゃんもたまたま電話しなきゃいけなかったんだろうけど・・・偶然そこに2人しか来なくて・・はあ・・他に誰も・・・っ」
嘘だ。
嘘だよね?
嘘って言ってよ、莉子。
嘘だって言ってよ、桐原君!
もう嫌だ。
「は、ははっ」
笑うしかなかった。
「ヤバいよ、佳子…今度こそ本当にさき越されるよ?誰かのものになってからじゃ・・・っ」
分かってる。
分かってるから、もう何も言わないで。
あの日買ったくま。
クマのストラップに、何回もお願いした。
無くして、また見つけたクマに、何回も、何回も。
握りしめながら、この恋が叶いますようにって。
もう握りしめるのは何度目だろう?
いくら願っても、君に届かないのはどうしてだろう?
PR