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Re: BAKU ─夢喰いたちの非日常─ ( No.3 )
日時: 2011/07/12 15:42
名前: 生死騎士 (ID: mk2uRK9M)
参照: http://www.youtube.com/watch?v


 第一章 『夢を喰う、能力。』


「ん・・・」

夜明けの、明るい日差し。
それはカーテンの隙間から私の顔の位置を直撃していた。
丁度東向きの窓なので太陽がキラキラと輝いているのが見えた。

それをまぶしいと思うと同時。
私の背後に何かの気配がして、そちらが見えるようにごろっと横に転がった。
そこにいたのは。

「お〜目ぇ覚めた?おはよう。」

あの白い空間に居た、男の子だった。

・・・・・・。

数秒後、家中に私の悲鳴が響き渡った。


               ***

「・・・で、春真くんは何で私の部屋に居るの!?」

八重次春真と名乗る男の子(年は同じらしい)は私と向かい合うように正座で座っていた。
女の子の部屋に無断で侵入したんだから、ちょっとは反省していただきたい。

「いや?仕事なんだけど・・・」

春真くんが足を組み替えながら、言う。

「仕事?」

「うん。」

私の頭の上にはハテナマークが浮かんでいるに違いない。
だって、私と同じ年ってことは彼も高校生。
朝早くに人の家に入る仕事なんて、泥棒以外に思いつかない。
それに、
彼は私の夢に出てきたのだから。

その考えが顔にでたのか、春真くんは面白そうに言った。

「それが仕事。」

ますますワケが分からない。

「夢に出てくるのが仕事なの?」

「うーん、そうでもないんだけれど・・・」

困ったような顔で春真くんは唸った。
説明するのがそんなに難しい仕事なのか・・・?

しばらくして顔をあげると、彼は自信有り気に。

「俺、夢喰う仕事してんだよね。」

自分の仕事を最も適切な言葉で表してくれた。