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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 絶対神道ギリシアちゃん【第三話更新】 ( No.9 )
- 日時: 2011/09/03 10:25
- 名前: 王翔 (ID: 2Ybq3x/E)
第四話
神殿に足を踏み入れると、なかは真っ白だった。
豪華な装飾が施された窓や、赤い絨毯が敷かれている床や、人が住むには広すぎる大きさ……。
ギリシアは、本当にこんな所に入ってもいいのかと思いながらおずおずとヘルメスの後へと続いた。
そして、ヘルメスに問いかける。
「ヘルメスも……神様なんですよね?」
「はい、そうですよ。さっきも言った伝令、嘘と盗み、あとは冥界への案内人ですね」
にこやかに告げるヘルメスに対して、ギリシアは難しい表情を浮かべた。
嘘と盗みの神というなれば、ヘルメス以上にそれをうまくやれるものはいないということである。
簡単に言えば、誰もヘルメスの嘘を見抜くことはできない。
今、自分の目の前にいるのは、そういう者なのだ。
「さて、行きましょうか」
ギリシアは、深く頷いた。
☆
大広間に到着すると、その中央に一人の青年とおぼしき人物が真っ白な椅子に腰掛けていた。
輝くような黄金色の神に、白く金の刺繍が施された礼服のようなものを身に纏っている。
青年は立ち上がると、笑顔で口を開いた。
「なるほど、君がギリシアか」
「え? 私のこと、知ってるんですか?」
「まあな。俺に知らないことはないと言っておこうか」
「えー……あなたは?」
「俺は、ゼウス。神々の王にして全知全能の神だ」
それを聞いた途端、ギリシアは焦って頭を下げる。
「す、すみません! その、何と言うか……」
神々の王に対して、私のこと、知ってるんですか? とか聞いてしまった。これ、どうすればいいんですか!?
「いやいや、いいって。俺達は、君を待ち望んでいたんだからな」
ゼウスの言葉に、ギリシアは思考を巡らせるが理解できず目をぱちくりさせた。
「どういうこと、ですか?」
「その答えは──君の名前にある」
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