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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ( See You ) ( No.13 )
- 日時: 2011/08/11 09:26
- 名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: xzitYG6X)
私は保健室の住人だ。
朝の短い時間、昼休み、放課後とだいたい保健室にいる。
理由は、保健委員長という仕事と、もうひとつは——。
「おい、宮野。邪魔だ」
こんな暴言をはく、私のお兄ちゃんの友達の杉野誠養護教諭が好きだからだ。
家に遊びに来たときに一目ぼれをしたので。
私が18歳で5つ上だから23歳で彼女なし。
今でも私のお兄ちゃんの部屋に転がり込んではいるらしい、しかし今年の春に新任として私の学校に来て以来は私の家には来ていない。
当たり前か、問題になるな……と考察をしていた。
「……うるさい、誠」
「あのな、俺の名前を呼び捨てするな。誰かに聞かれたらどうするんだ」
「誰もいないから言ってるんだけど」
もう6時も過ぎて、部活をやっていたグラウンドには誰一人といない。
私はチラリと誠を見ると、誠は腕時計を見ながらため息をついた。
「あーもう6時じゃないか。早く帰れ」
「嫌だ、今日はおにいちゃんの家に泊まるから、お兄ちゃんが迎えにくるんだもん。学校に」
と私が言うと頭をガシガシとかき「7時までだぞ」と言った。
今は10月。私はもうすぐ受験を控えている。看護大学にだ。どうしても養護教諭になりたいからだ。
誠はくるくる回るイスに腰をかけ、職員室からもらってきたブラックコーヒーをすすった。
「誠ー」
私が緑色のソファに座りながら言った。
「んー?」
「……卒業まで待っててよ」
「……何をだ」
「そんなことぐらい自分で考えてよ、鈍感」
卒業したら告白しよう。
もう誠に5年も片思いをしてるんだよ? 知らないでしょ?
ただの親友の妹とか思ってたら承知しないんだからね。
「何が鈍感だ。お前こそ鈍感だわ。綾香」
( 保健室と二人 )
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