コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ( See You ) ( No.16 )
- 日時: 2011/08/11 18:48
- 名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: xzitYG6X)
「ぜんぜんできないじゃん」
「本当だ」
なんて間抜けな返事なんだろうかと耳を疑った。
私はそういう話をしているんじゃなくて、私はできないということでどうやったらできるかと言う問題を投げかけているのに、なぜその返事がない。
「文化祭の実行委員なんて……」
私はクラスで浮いた存在だ。かなり。別に人としゃべらなくても大丈夫だし、授業を受けて、成績がよければ進学できる。
そんなもんだ、学校なんて。
そして、文化祭の実行委員を決めるとき、みんなやりたくないもんだから浮いている私を推薦してきたのだ。お前だれ? みたいなやつに。
そして男子の文化祭実行委員はクラスのなかでも中心的な存在でかっこよく性格もいいという渡辺君だった。
私の後に決まったもんだから女子からは「渡辺君がやるなら私もやればよかったあ」とか本当に腹が立つ答えが耳に聞こえた。
放課後、私たちはプラネタリウムをやるというクラスの案で試作品を作っていた。
放課後と言ってももう7時、早く私は帰りたかった。
渡辺君は「んー?」とうなりながら試作品のプラネタリウムを比べていた。
「渡辺君、私と実行委員やるの正直嫌でしょう?」
と聞くと渡辺君はプラネタリウムを置いて、
「なんでそんなこと聞くの?」
「……私、みんなに好かれてないこと知ってるから。
渡辺君も一緒かなって思って。ただそれだけ」
「一緒にしないでよ、クラスの子と」
そういうと渡辺君はプラネタリウムを私に突き出して「一緒に作ろう」と言った。
「私が決まったあとに、渡辺君が文化祭の実行委員って決まったじゃん? あの後に、女子に私がやればよかったって言われたの。そんなのおかしくない? 私は誰かわからないやつに推薦されて、嫌だって言ったのに、勝手に女子は話を進めて行くし……もう本当に嫌なの目立つ行為をしたくないの」
私が一息でそう吐き出すと、渡辺君はそっか、と言った。
「でも、俺は片野さんでよかったと思うよ。文化祭の実行委員。だって俺、片野さんがやるって決まったから俺もやろうかなって思った」
「……嘘だ」
「嘘じゃないよ。俺、嘘つくくらい器用じゃないよ」
なきたくなった、私は誰にも愛されてないと思った、誰も私のことを知らないと思ってた。
プラネタリウムを受け取って、私は笑った。
( 憂鬱スター )