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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ( See You ) ( No.2 )
- 日時: 2011/07/17 12:23
- 名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: xzitYG6X)
彼とすれ違うだけで右肩が熱くなったり、授業中に聞こえる彼の声にうっとりしたりして。
こんな単純なことだけど私は彼が好きになっていて、彼のことしか考えられなくなっていて。
「松葉ー! 安田! 今日日直だぞ!」
先生が前の教室の扉のところで言っている。私と彼は席が前後で私たちは今日日直で……。
彼と一緒に日直ができるだなんて思っていると私の頭に手がのった。
「松葉、センセー呼んでるから、とりあえず職員室いくぞ」
そう言うとスタスタと扉の方に歩いて行く安田君を私はあわてて追いかけた。
窓からは初夏の風が吹き込んでいて、青い空にはぷかぷかと雲が浮いていて。
安田君の隣をうつむきながら無言で歩いている。かなりきまづい。
好きな相手だからこそ安田君としゃべれず、私はただチラチラとうつむきながらも安田君を見ていた。
スラッっとした足、切れ長の目、真っ黒の髪の毛、そして笑うとできるえくぼ、ああ、かわいい。そうやって遠くから見ていた日常だったのに、急に隣に来ると困る……。
「松葉って、髪の毛サラサラだよなー」
「えっ、えっ? えっ?」
えっ、を私は何回言ったんだろうか、それぐらい慌てて、そして髪の毛を褒められたのが初めてだったから、余計に慌ててしまった。
私が髪の毛をつまんで「そうかなー……?」と言うと彼が無意識だろうか私の髪の毛をさらりと解くように触った。
「すっごいサラサラだよ」
そして彼は私の大好きな笑顔を見せた。
まぶしく笑う君の顔にもドキドキしたけど、触られた私の髪の毛は焼け焦げてしまうくらい熱かった。
( とりあえず、これからは髪の毛に力を入れよう…… )
( ふれる )
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