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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 憂鬱スター ! ( No.21 )
- 日時: 2011/08/13 10:18
- 名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: opLc/10u)
うまく笑ってるかな、うまく笑って、あなたを祝福できるかな。
私たちは幼馴染で高校も一緒で、大学も一緒で。
私は信吾が好きだった、あのうそのない笑み、しっかりとした考え、子供ながら信吾と結婚して一生一緒にいたいと思ってた。
でも、そんなのは所詮叶わない夢。
信吾はかわいらしく、愛らしい、清楚で優しい女の子と付き合い、今日結婚式をあげる。
私に一番に紹介してくれて、その信吾の傍らにいる女の子は屈託のない笑顔で「はじめまして」とお辞儀をした。
白いワンピースがよく似合う子だった。
「信吾ったらこんなにかわいい彼女さんがいたの? 知らなかったよー! 信吾をよろしくね、陽香さん!」
そういうと信吾は本当に嫌なくらいの笑みをみせて「ありがとう」と言った。そして傍らにいた陽香さんもぺこりとまたお辞儀をした。
ああ、この子には叶わないな、と思った。
この子なら信吾を幸せにしてくれるし、支えてくれるのだろうと思った。
二人で手をつなぎながら帰る後姿も、微笑みながら見つめあう二人も、全部全部私がほしかったものばかりで。
「あ、千早さん!」
陽香さんが私に気が付き真っ白なウェディングドレスで私のよってきた。
「陽香さん、おめでとう」
「ありがとうございます」
ピンク色のチークが彼女の顔を彩っており、いつもかわいい陽香さんなのに今日は飛び切りかわいいかったし、きれいだった。
「すごく、ウェディングドレス似合ってるよ。きれい」
私がそういうと、陽香さんはまたにっこりと笑って、ありがとうございます、と言った。
私があのウェディングドレスを来て信吾の隣に立つことはなかったのかな。
私はそんな未来を信じていたのかな。
( ハッピーウェディングの憂鬱 )
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