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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 憂鬱スター ! ( No.28 )
- 日時: 2011/08/16 16:16
- 名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: opLc/10u)
「ねえ、美冬。そんなところで雑誌読んでないでお姉ちゃんを見習って手伝いしてよ」
とお母さんが小言言う。お姉ちゃんなんてなんもしてないじゃん、たまにお母さん居るときにちょっとやるだけじゃん。
私なんてお母さんが夜勤のときは料理を作って、お風呂を洗って、皿洗いをして、全部してるのに。
「うるさい」
私が跳ね返すように言うとお母さんはムッとした顔をしてため息をついた。
昔からこうだ、お姉ちゃんはすごく都合がいい。
なんでもなんでも服だってお姉ちゃんばっかり、話しかけるのも大体お姉ちゃん、一緒に出かけるのもお姉ちゃん。私は一人家の時が多かった。
別にそれが苦なわけではなかったけど、我慢している自分がいたのかもしれない。
「……何でもお姉ちゃんだね」
「え? 何?」
とお母さんが聞き返す。
「お姉ちゃんばっかりじゃん! いつだって、都合いいこと言って何なの?
お姉ちゃんなんて普段なんもしないじゃん!
お母さんが夜勤の時に料理作ったことある? 皿洗いしたことある? 風呂洗ったことある? ないでしょ?
お姉ちゃんはお母さんが居るときにしかやらなじゃん!
そんなの卑怯だよ」
一気に吐き出すとお母さんはぽかんとした顔をしてお姉ちゃんは私から顔をそらしていた。
「ほら、何にも知らないじゃん。お姉ちゃんのせいでこっちは迷惑してるのよ。学校でも家でも」
大嫌い、そう吐き出す。全部全部大嫌い。
家にいても自分の居場所がなくてお姉ちゃんが邪魔をして。
学校にいてもお姉ちゃんが邪魔をして。
お姉ちゃんなんていなきゃよかった。
「私は、お姉ちゃんのこと大嫌い」
( 鏡写し2 )
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