コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 憂鬱スター ! ( No.35 )
- 日時: 2011/08/19 09:49
- 名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: opLc/10u)
頬が熱い。熱があるのかな。くらくらする。めまいも同時に。
私の目の前を何事もなく過ぎていく、松林先輩。どきどきする。
陸上部の先輩で、かっこよくって、県大会でも成績を残していて、陸上部の女子ほとんどが恋をしていると考えてもおかしくのないルックス。
先輩に彼女はいない、作る気はないという噂が陸上部、学校で出回っている。
私が陸上部の部室に行くと、松林先輩しかいなかった。
「……え。あ、先輩……こんにちは」
胸が高鳴る、松林先輩はロッカーにスポーツバッグを片付けながらこっちをみながら、さわやかな笑みをみせて。
「よっ、綾崎」
先輩と二人きりなんてなったこともなかったし、どこに視線を向けていいかわからない。心臓がうるさい。
「あの、ほかの人たちは……?」
「あー……。なんかみんな文化祭前だから忙しいんだって」
文化祭かあ、と思いながらも私は合皮のスクールバッグを長い緑のベンチの上においた。私、不自然は動きしていないかな……。
先輩、私頭が痛いんです。熱っぽいんです。頬だって真っ赤だし。
「綾崎、熱でもあるのか?」
「え? あ、別に……」
と私が言うと、先輩が私の方に寄ってきた、やめて。胸が張り裂ける。
先輩の手の甲が私のおでこに触れた。
「ちょっと熱いけど、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です……」
そう返すのが精一杯だった、胸のどきどきで先輩の声がうまく聞こえない。先輩が「そっか」と言って私のおでこから手の甲を離した。
その瞬間に少しだけ、くらりとした。
「本当に大丈夫? 今日は休みな」
先輩は言って、私をベンチに座らせた。
「なんか飲み物買ってくるよ、待ってて」
そういって、先輩は部室を出て行った。
これは熱なんでしょうか、それか、先輩のせいなんでしょうか。
胸が苦しいなと思った瞬間にはもう息ができないほどだった。
( 微熱注意報 )