コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ( See You ) ( No.5 )
- 日時: 2011/07/28 15:28
- 名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: xzitYG6X)
「作治、好きだ」
そういうと作治は顔を真っ赤にし、「うん」と言った。
そして「綾瀬さんのそういうところかわいい」と真っ赤な顔をまた真っ赤にしながら言った。
ふむ、私のそういうところがかわいいか、なるほど。
ちなみに私はこういうしゃべり方で昔から「変」と言われ続けたが、直すこともなく現在16歳という年齢になっていた。
そして手を繋いでいるのは、階段ですっころんでいるところを助けたアホな男、松原作治だった。こいつは黒ぶちめがねで、薄いブルーのシャツに無造作に作られた髪の毛が特徴で、背も高く、顔も整っており、かっこいい。……が、残念なのは頭(勉強はものすごくできる)だ。
ふむ、まあ仕方がない。こういうのも個性だ。
階段ですっころび、何段かある階段から落ちて、私はその場所にいて作治の下敷きになった。しかも時間も遅くほぼ誰も居ない階段だっただめか誰も心配してくれず、何秒か私は下敷きになったままだった。
「……ごめんなさい!! うわ、わあああ」
そんな途切れ途切れの声を張り上げながら私の上からすばやく退き、私の顔を泣きそうな目で私を見ていた。
「私は大丈夫だわ」
そういい、私はスカートの砂埃を払いながら、作治に言った。
作治の頬には傷がついていた。
「ああ、お前。頬に傷がついてるぞ」
私がそういうと彼は不思議そうな顔して頬に手を当てた。じんわりと血が滲んでいた。そして作治の手に血がつき作事は真っ青な顔になり私と指を交互に見た挙句叫んだ。
「……ひゃああああああああああ血だあああああああああああああ」
そんなに驚くか、と私は見ていたが作治はうっすら出ている血に驚きを隠せずバタバタしていた。
「落ち着け、私はたまたま薬局に寄った帰り消毒液とバンソーコーを持っている、処置をしてあげるから座れ」
私はそういい、作治の頬についた傷の処置をした。
そんなことが出会いであり、私と作治は何回か駅で会う機会があり、二人で帰ったりした。
作治の傷は薄くなり、もうほぼ直ったころに作治はものすごく顔を真っ赤にしながら私に告白した。
「好きです。よ、ければ……俺とお付き合いしてくださっい」
大丈夫かコイツは。と思ったが私はうなずき、
「私は作治とこれから時間を重ね、一緒に生きたい。結婚までとはいかないが結婚前提でお付き合いしてくれ」
そのときのアホな作治の顔を忘れられない。
そして私は作治の薄くなった頬の傷を触り、「よろしくな」と言った。
( 綾瀬と作治 )