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Re: 憂鬱スター !  ( No.57 )
日時: 2011/09/22 18:31
名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: LJORQFwR)




「好きなんだ」
私はぱっと顔を上げた。前には学年1と言われる男の子が目の前にいた。
日誌の空欄を埋めている私の周りには誰もいなくて、ただ一人私の前には男の子しかいなかった。
日誌を埋めることに没頭していた私は教室に彼がいることに気づかなかったらしい。


「……人、間違えじゃないですか?」
そういうと彼は首を振った。そして「違う」と言った。
なぜこのように学年1と言われるカッコイイ男の子が私に告白しているのだろうか。私は不思議で仕方がなかった。
「末松が好きだ。隣のクラスだし接点とか少ないけど、実行委員とかでがんばってたり、笑ったりするところがすごく好きだ」
こんな情熱的にこの男の子は告白するんだなと思った。シャーペンを置くとシャーペンは回転して床に落ちた。
それを彼はスラッとした指ですくうように拾った。

彼は自分のルックスのよさを鼻にかけることはないし、素敵な男の子だと思う。何回かことばを交わしたことがあるが素敵な話し方で、私の心をきゅんとさせた。
でも学年1のルックスを持つ男の子は私なんて眼中にないんだろうなあと思いながらすごしていた。

「私は、深山君みたいなかっこいい子とは似合わないよ」
「……それはすごく傷つくな」
私が彼の顔を見ると言葉どおり傷ついた顔をしていた。
「俺は末松が好きだよ、そのまんまの末松がすき。別に自分を卑下する必要はどこにもないだろう」
「……うん」
うなずくしかなかった。



「……もう一回言う。好きだ。お付き合いしてください」
「あの。私でよければ……」
私がそういうと学年1の彼はにっこりと笑って私の頭をくしゃくしゃっと乱した。



( 君と私の放課後 )